ノンフィクション

「甘粕正彦 乱心の曠野」佐野眞一

「甘粕正彦 乱心の曠野」佐野眞一(新潮社)2008年5月発行.475p.1900円

甘粕正彦の評伝。今年2009年、第31回講談社ノンフィクション賞受賞作品です。

陸軍士官学校に入学した甘粕は、落馬事故による怪我でエリートコースを外れ、憲兵になることを余儀なくされる。

甘粕憲兵大尉は、大正12年関東大震災の大混乱に乗じて、無政府主義者の大杉栄・伊藤野枝夫妻と7歳になる甥を虐殺した(大杉事件)首謀者として、軍法会議で実刑判決を受けた。

大杉事件で軍籍をはく奪された甘粕は、刑務所を出所後、フランスに渡り、その後、満州へ移住。

満州事変をはじめとする謀略工作に深く関わり、最後は満州映画協会(満映)の理事長として、青酸カリをあおって自決した。54年の生涯だった。

著者は、膨大な歴史資料にあたり、甘粕氏と接した人々を取材し、ゆかりの地を歩いて、彼の謎に満ちた生涯をたどっていきます。

私自身、甘粕像として思い浮かぶのは映画「ラストエンペラー」で演じた坂本龍一さんで、大杉事件についても教科書で習う程度しか知識がなく、知らないことばかりだったので、最後まで興味深く読めました。

特に、今はほぼ定説となっているそうですが、甘粕が大杉事件のエスケープゴートとして全責任を一人でかぶったという話は驚きました…。

映画「ラストエンペラー」の影響か、甘粕氏には潔癖で冷酷非情なイメージを持っていましたが、この本の中では、部下から慕われ、子どもにもなつかれると言っていた意外な甘粕像もあぶりだされます。

最後の職場となった満映に移ってからは、職員の待遇改善を進め、特に中国人スタッフには給与を倍以上に引き上げ、中国人を蔑視する言動を禁じたり、終戦後、満映社員ために脱出用の列車を確保し、退職金分の現金を用意したといいます。

全編を通して、自分自身よりも国家を優先し、敵役を一人で背負わされた男の孤独が伝わってきました。

読み応えありました。

 甘粕正彦乱心の曠野 甘粕正彦乱心の曠野
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「親愛なるブリードさま~強制収容された日系二世とアメリカ人図書館司書の物語~」

「親愛なるブリードさま~強制収容された日系二世とアメリカ人図書館司書の物語」ジョアンヌ・オッペンハイム 今村亮・訳(柏書房)2008年7月発行.406p.3200円

1942年真珠湾攻撃後、日本人を祖先に持つ12万人の日系人は、老若男女問わず、立ち退かされ、強制収容所に入れられた。その日系人の3分の2は、アメリカで生まれ育ち、アメリカ市民権のある二世だった。

アメリカ西海岸、サンディエゴ市立図書館の児童室担当司書だったクララ・ブリードは、図書館を頻繁に利用していた日系アメリカ人の子どもたち(幼児から20歳前後まで)と親交を深めていた。

立ち退き当日、駅まで見送りに行ったブリードは、子どもたちに1セント切手を貼った自分宛のハガキを配り、「手紙をかいてね、本を送るわ」と約束した。彼女は、自由と権利を奪われた子どもたちに、収容所まで本や入り用の品を送り続け、心の支えとなった。

収容所からブリード宛てに出された250通にも及ぶ手紙、大人になった彼らへのインタビュー、当時の新聞記事や写真などを織り交ぜながら、クララ・ブリードと子どもたちの交流と、強制収容所の実態をまとめたもの。

著者は、高校の同級生だった日系人の同級生を探す手がかりとして、全米日系人博物館のウェブサイトを見つけ、そこでクララ・ブリードと、彼女と交わされた手紙のことを知ったと言います。

多くが強制退去のために家財道具を処分しなければならなくなり、サンタ・アニタ収容所では、競馬場の馬小屋に入れられ、その後、移されたアリゾナ州ポストン収容所は、猛暑の砂漠の地。約3年にも及ぶ苛酷な環境での収容所生活の実態と、その後の生活…。

日系人が強制収容されていたという事実だけは知っていましたが、そこでどんな生活を強いられていたのか、戦時下の日系人へ向けられる激しい憎悪と人種差別を、この本で初めて知ることになり、非常に驚きました。

ブリードは、子どもたちを励まし続けるとともに、図書館誌に日系アメリカ人の子どもたちが置かれた状況についての記事を何度も発表し、不当性を訴えています。彼女はその後、サンディエゴ市立図書館の館長に就任。1994年に亡くなっています。

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足跡化石「恐竜と歩こう!」

「恐竜と歩こう!-足跡化石の発掘と研究」石垣忍・著(童心社)2008年6月発行.26×21㎝.40p.1800円

恐竜だって歩いた

そして足跡を残した

その足跡は化石になって残っている…。

北アフリカのモロッコに残っている恐竜の足跡化石から、1億7000万年前に生きていたその恐竜の姿や、生きていた時代の風景を探っていく一冊です。

足跡化石が見つかった地層から、いつの時代のものかがわかり、足跡の形や大きさから、その恐竜の大きさや姿がわかる。歩幅からは歩いた速度がわかり、並んでついている足跡は、集団で歩いていた証拠となるそうです。

足跡化石の調査は、どんな風に行われるのかも説明されています。化石になった足跡からは、指の形でその恐竜がケガをしていることや、恐竜の歩き方まで、いろんなことがわかってくるそうです。

豊富に使われている写真やイラストが、わかりやすさ、読みやすさに一役買っています。本の中の写真から、恐竜の大きな指や爪の跡がはっきりわかりますよ。小学生くらいから読めるでしょう。

恐竜と歩こう!―足跡化石の発掘と研究 Book 恐竜と歩こう!―足跡化石の発掘と研究

著者:友永 たろ,七宮 賢司,石垣 忍
販売元:童心社
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「青春の終わった日」清水眞砂子

青春の終わった日――ひとつの自伝 Book 青春の終わった日――ひとつの自伝

著者:清水眞砂子
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「青春の終わった日」清水眞砂子(洋泉社)2008年9月発行.238p.1800円

著者は、児童文学翻訳家(「ゲド戦記」シリーズを翻訳)・評論家として活躍されている清水眞砂子さん。彼女が、ご自分の幼少期から中学高校大学を越え、社会に出て5年目に、自分の道を見つけ、青春が終わったと自覚した日までを振り返った本です。

家庭状況から、新天地で子育てと考えたご両親は、北朝鮮に渡り、清水さんはそこで生まれます。戦後の大変な引き揚げ時には、まだ幼く、切れ切れにしか覚えていないということで、ひとまわり年が違うお姉さまに聞いて、その記憶の隙間を埋めています。

八人きょうだいの下から二番目という清水さんは、戦後の貧しい生活で、家族みんな働きづめだったと言いますが、両親やきょうだいから愛情をもらい育っていきます。それでも、はたから見ると優等生だった彼女の心の中では、葛藤を繰り返す思春期だったと言います。

昨年、清水さんの講演を聞く機会に恵まれ、その凛としたお姿がとても素敵で、自分もあんな風に年齢を重ねることができればなぁと、憧れのまなざしでお話を聞かせていただきました。

その時に、この本のことにも触れられて、“私たちは一人でいることをマイナスと考える傾向があるけれど、それは決してマイナスなことではない。一人でいた時間が今の自分をつくりあげてきたと思っている”というお話をされていました。

まさに、その言葉通りの内容です。いつも真摯にものごとに向き合い、自分で考え悩みながら自分の道を見つけてきた一人の女性の青春記になっています。

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「かつら文庫の50年」

かつら文庫の50年 かつら文庫の50年

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「かつら文庫の50年」東京子ども図書館・編(東京子ども図書館)2008年10月発行.87p.1000円

2008年3月5日、有楽町の朝日ホールで開かれた、かつら文庫50周年記念の集いの報告集。

かつら文庫は、1958年石井さんの荻窪の自宅から始まった小さな子ども図書室。かつら文庫が開いてから7年間の記録は、石井さんの手によって『子どもの図書館』(岩波新書)にまとめられ、全国に広がっていった家庭文庫のお手本となるような存在になっていったといいます。かつら文庫は、その後、他の三つの文庫と合体して㈶東京子ども図書館として法人化されます。

かつてかつら文庫に通っていた子どもたち(その中には阿川佐和子さんもいらして、一緒に通っていたお兄さんと楽しい対談をされています)や、文庫の歴代の「おねえさん」たちが、かつら文庫の思い出についてお話をされています。第二部の松岡享子さんの講演では、戦前各地に存在した子ども文庫の歴史にも触れています。

印象に残ったのは、かつら文庫は友だちとの遊びの場ではなく、子どもが本と出合う場であったこと。そして、そこには、本の道案内となるような、その子に合わせて上手に本を薦めてくれる文庫のおねえさんがいたこと。

アットホームな会の様子が伝わってくる報告集でした。

石井桃子さんは当日出席できず、集いからひと月後の4月2日に101歳で亡くなりましたが、かつら文庫はこれからも東京子ども図書館の拠点として継続していくそうです。

かつら文庫に毎年飾られるという、寧楽(なら)びなをモデルにしたお話です。犬養健夫人から、娘の道子さんの持っていたお雛様のひとつをいただいたそうです。

三月ひなのつき (福音館創作童話シリーズ) (福音館創作童話シリーズ) Book 三月ひなのつき (福音館創作童話シリーズ) (福音館創作童話シリーズ)

著者:石井 桃子
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「三月ひなのつき」石井桃子・作 朝倉摂・絵(福音館書店)1963年12月発行.96p.1400円

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「神さまの森、伊勢」今森光彦

神さまの森、伊勢 Book 神さまの森、伊勢

著者:今森 光彦
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「神さまの森、伊勢」今森光彦(小学館)2008年7月発行.32p.1600円

伊勢神宮の内部を撮影したものかと思って手にとってみたら、神宮をとりまく森の写真絵本でした。(そういやタイトルにちゃんとそう書いてありますよね)。

伊勢の森は、伊勢神宮が誕生してから2000年もの間、神様の森として守られてきたもの。ふだんは人が入れないところですが、特別に撮影許可をもらって、2年間に渡って撮影されたものです。

カシやシイなど冬でも葉が落ちない照葉樹の森の中で、どうして針葉樹のヒノキがあるのだろう。そして、森にはたくさんの木があるのに、どうしてヒノキを育てる必要があるのだろう…。今森さんは、そんな疑問を持ったといいます。

20年ごとに建てかえられている伊勢神宮の社は、すべてこの森の中のヒノキでまかなわれてきました。けれども、江戸時代むやみに伐採されたことで、野生のヒノキが育たなくなってしまったことがあったそうです。社の柱に使うような太くて強いヒノキにするには、ヒノキだけをまとめて植えたところでは上手くいかず、カシやシイにまじってゆっくり大きくしていくことが必要なんだそうです。そのために、長い年月をかけて森づくりをしている人たちがいるそうです。

どこまでも続く深い森と、そこにすむシカなどの生き物たち…。その全てが、神々しく感じられました。

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「赤めだか」立川談春

赤めだか Book 赤めだか

著者:立川 談春
販売元:扶桑社
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「赤めだか」立川談春(扶桑社)2008年4月発行.283p.1333円

談春さんの落語を聞いたことがないのですが、雑誌などで落語の特集が組まれると、次代を担う若手として、必ず名前の上がる方ですよね。

1966年、東京生まれ。“本当は競艇選手になりたかった”少年は、募集条件より身長が2㎝高いことで夢を断念。その後、立川談志師匠の落語に魅せられ、17歳で高校を中退して、弟子入り。二つ目、真打ちへと昇進するまでを赤裸々に語ります。

まるで落語を聞いてるがごとく、笑って泣いて感動して…と、いつのまにか話の中に引きずり込まれて、一気読み。おもしろかったです!!

繊細でマメな素顔、芸に対する真摯な姿…と、この本で談志師匠に持っていたイメージが変わりました。

談志が死んだ―立川流はだれが継ぐ Book 談志が死んだ―立川流はだれが継ぐ

著者:立川 談志,落語立川流一門
販売元:講談社
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「談志が死んだ」立川談志+落語立川流一門・著(講談社)2003年12月発行.433p.2200円

第一部 恐れ多くも、「家元」「立川流」「落語界」を語る。

 オール真打ち 覚悟の対談・鼎談/オール二つ目 肝だめし座談会/オール前座「立川流入門の動機」と「十年後の私」

第二部 重ねて恐れ多くも、「談志落語」を語る

第三部 家元、弟子を語る

の三部構成。

談志師匠が落語協会を脱会、落語立川流を旗揚げした経緯。そして、立川流は談志が死んだあとどうするのかという問題について、弟子たちがしゃべります。

やめていく人やクビになった人も多い中、やっぱり真打ちとして残っていく人たちの話はおもしろいですね~。みんな個性的だし。それぞれが、師匠の何かを受け継ぎながら、持ってる色がバラバラなのがいいですね。

現在は孫弟子の時代となってきているようです。彼らの座談会を読んでいると、兄弟子たちと比べて、覚悟やバイタリティが薄まっているような気がしたのは気のせいでしょうか。

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杉浦千畝とワレンバーグ

ナチスの迫害から多くのユダヤ人の命を救った 2人の外交官の伝記です。

約束の国への長い旅  /篠輝久/著 [本] 約束の国への長い旅 /篠輝久/著 [本]
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「約束の国への長い旅」篠輝久・著(リブリオ出版)1998年12月発行.183p.1200円

1940年夏、リトアニアの日本領事館の前は、ポーランドからナチスの迫害を逃れ、ビザを求めるユダヤ人たちの群れで埋め尽くされました。リトアニアの日本領事だった杉原千畝さんと日本の外務省の間で、ビザ発行をめぐり激しいやりとりがありましたが、日本政府からは「ビザを出すな」との命令が下ります。

命令に従うか、良心に従うかの選択を迫られた杉原さんは、領事の権限を発動してビザを出す決断をします。食事も寝る暇も惜しんで書き続け、退去命令が下り次の勤務地に向かう汽車の窓からも、ビザを手渡し続けました…。

杉原さんの妻・幸子さんから聞いた話も織り交ぜながら、杉原千畝さんや、ビザをもらったユダヤ人たちのその後まで語られます…。

伝記世界を変えた人々 (6) ワレンバーグ−ナチスの大虐殺から10万人のユダヤ人を救った、スウェーデンの外交官 Book 伝記世界を変えた人々 (6) ワレンバーグ−ナチスの大虐殺から10万人のユダヤ人を救った、スウェーデンの外交官

著者:M.ニコルソン,D.ウィナー
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「ワレンバーグ(伝記世界を変えた人々6)」M・ニコルソン、D・ウィナー著 日暮雅通・訳(偕成社)1991年6月発行.195p.1600円

1944年7月、ハンガリー・ブタペストに着任したスェーデンの外交官ラウル・ワレンバーグは、わずか半年間に、およそ10万人のユダヤ人の命を救い出していったのです…。

まず彼がやったことは、ユダヤ人を救い出すための方法を考え出すこと。「保護証書(シュッツパス)」とよばれたパスを大量に発行し、このパスを持っているユダヤ人はスウェーデン国民として扱われ保護されました。ゲットーの中に食糧を運び込み、大きな家をスウェーデン政府名義で手に入れ、パスを持ってそこに住む人たちを保護するセーフハウスを30箇所も設置しました。(その一つが現在スウェーデン大使館になっているそうです)。

スウェーデンの名門一家に生まれたワレンバーグの幼少期から、自分の身の危険も省みず、ユダヤ人の救出に精力的に活動した生涯を追ったもの。

恥ずかしながら、ワレンバーグの名前だけは耳にしたことはあったのですが、彼がどんなことをした人物だったのか、そしてハンガリーでのユダヤ人迫害の状況も、この本で初めて知りました。

気になる二人のその後ですが…。杉原さん一家はドイツの敗戦後、ソビエト軍に軟禁され、1947年に帰国。杉原さんは命令に従わなかったということで、外務省を辞めさせられます。杉原さんの功績が大きく報道されたのは戦後40年もたった1985年のことでした。

ワレンバーグは、1945年1月にソビエト軍に捕えられます。その後、彼の身の上に何が起こったのか、いまだ謎に包まれているようです。ソビエトの刑務所で死亡したというソビエト側の発表があった後にも、彼の姿を見たという報告もあったということです。

どちらの本も児童書として出されていますが、読み応えがありました。おすすめ。

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「トイレのおかげ」

トイレのおかげ (たくさんのふしぎ傑作集) Book トイレのおかげ (たくさんのふしぎ傑作集)

著者:森枝 雄司
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「トイレのおかげ」森枝雄司・写真・文 はらさんぺい・絵(福音館書店)2007年10月発行.40p.26×20㎝.1300円

著者は、スペイン・バルセロナで「カガネー」というクリスマス人形が売られているのを見つけます。それは、なんとウンコをしている格好の人形。クリスマスに、どうしてそのような人形を飾るのだろう?

そこから、他の国のトイレ事情や、トイレの歴史について調べていくことになります…。

中世・ヨーロッパのお城の壁から突き出した出窓トイレ。フランスのヴェルサイユ宮殿にはトイレがなかったと言われているそうですが、ではどうしていたのか?

京都・大本山東福寺の「東司」は、日本に残るもっとも古いトイレ建築で、使い方の作法もお坊さんの修行の一つだったとか…。武田信玄トイレは、なんとの6畳大の畳敷き!?ジャンボ・ジェット機のトイレのしくみ…などなど、トイレにまつわるあれこれが、写真やイラストで紹介されています。

表紙の写真にも使われている「カガネー」は、スペイン・カタルーニャ地方独特のクリスマス人形で、毎年新しい作品が登場するとか。なんともユーモラス!

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「宇宙においでよ」

宇宙においでよ! Book 宇宙においでよ!

著者:野口 聡一,林 公代
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「宇宙においでよ!」野口聡一・著 林公代・文 植田知成・イラスト(講談社)2008年6月発行.182p.21㎝.1400円

宇宙飛行士・野口聡一さんによる、子ども向けの宇宙案内記。ご本人から聞き書きをしたという形の本ですね。手書き文字の図解イラストがとってもよくて、それによって、より親しみやすく、わかりやすくなっています。

2005年7月、スペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙に行った野口さん。15日間の宇宙体験、宇宙飛行士になるまで、次の目標を含めてのこれから、の三部立ての構成になっています。

宇宙での食事やトイレ事情など、大人でも、へえ~知らなかった!と思うことが満載で、とてもおもしろく読みました。

日本人宇宙飛行士として初めて船外活動を行なった野口さん。宇宙空間は、おそろしいほどの底なしの真っ暗闇。しんとして音もなく、生き物の存在を許さない死の世界。対して、足元400kmに広がる地球は、ゆっくり回りながらまぶしく輝いていた…といいます。宇宙服を身につけて宇宙空間に出た野口さんならではの感覚や感動が伝わってきます。

野口さんは、2009年冬から、国際宇宙ステーションに半年間にわたって滞在するそうです。今度はスペースシャトルではなく、ロシアのソユーズ宇宙船で宇宙を往復し、操縦にも直接関わることになるそうです。楽しみですね。

小学校中学年くらいから読めるかな。

※野口聡一さんが所属するJAXA(宇宙航空研究開発機構)のサイトは、こちらから

 うちゅうひこうしになりたいな うちゅうひこうしになりたいな
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「うちゅうひこうしになりたいな」バイロン・バートン作 ふじたちえ訳(佑学社)1993年7月発行.1300円

スペースシャトルで宇宙に行って、地球に帰ってくるまでを描いた絵本。宇宙飛行士って、どんなことしてるの?というのが、小さな子にもわかる絵本。はっきりした絵、簡潔な文章に好感が持てます。

図書館本の佑学社版で読みましたが、現在はインターコミュニケーションズから出版されています。

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たくさんのふしぎ「屋上のとんがり帽子」

屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集) Book 屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集)

著者:折原 恵
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「屋上のとんがり帽子(たくさんのふしぎ傑作集)」折原恵・写真と文(福音館書店)2008年1月発行.40p.26×20㎝.1300円

大都会ニューヨーク。そのビルの屋上にある、とんがり帽子をかぶった円筒形のへんなもの。それはなんだと思いますか?写真を確認してみると、あっちにもこっちにも見つけることができますよ…。

答えは、給水タンク。生活用水と防火用水が貯められています。しかも、その給水タンクは、全て木でつくられている(ペンキやニスを塗らない杉の白木)と言います。最新のビルの屋上にも、木製のタンクは設置されるそう。なぜ木製なのでしょう?また職人さんによって現地で組み立てられるという給水タンクの出来るまでも紹介されています。給水タンクから、ビルの中の人たちに水が運ばれていくしくみもわかりますよ。

屋上から、また違ったニューヨークの風景が見えてくる写真絵本です。高学年くらいから大人まで。

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フィンランド留学記「青い光が見えたから」

青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記 Book 青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記

著者:高橋 絵里香
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「青い光が見えたから」高橋絵理香(講談社)2007年3月発行.286p.1300円

ムーミン、サンタクロース、白夜、「かもめ食堂」…。フィンランドと言われて連想するものですが、これからはこの本もその中に入りそうなくらい、とてもよかったです。

小学校四年生の時、トーベ・ヤンソンの「たのしいムーミン一家」を読んで、フィンランドへの留学を夢みた少女は、家族の支援を得て、受け入れ先の高校とホームステイ先をさがし、中学卒業後、単身で旅立ちます。高校生活をフィンランドで過ごす予定で、日本で10ヶ月間フィンランド語を勉強して行ったそうですが、それでもはじめはほとんどわからなかったと言います。

一年目、二年目、三年目…と、毎年学校で撮った集合写真が掲載されていますが、到着したばかりのおどおどとした自信なさげな表情から、年を重ねるたびに、明るく生き生きとした表情に変わっていく様子に、フィンランドでの充実した生活ぶりがわかります。大丈夫かしらと心配で見守るように読んでいたのが、だんだんと清々しい気持ちに変わっていきました。印象に残ったのは、彼女の努力ぶりと、最初からすぐに自然に受け入れてくれた周りの友人たちのあたたかさでしたね。

難しいとされる高校の卒業試験も合格し、現在はフィンランドのオウル大学に在籍しているようです。

暗記では対応できない記述式のテスト、3年、3年半、4年と自分で選択できる卒業、1科目3時間にも及ぶ全国共通の卒業試験と、フィンランドの教育事情も垣間見られます。

留学記であり、一人の女性の成長物語としても読めます。彼女の不安や戸惑い、喜びが真っ直ぐに伝わってくるものになっています。中学生、高校生から大人まで広くおすすめしたいです。

      ※著者ご本人によるブログは、こちらから見られます。

たのしいムーミン一家 (ムーミン童話全集) Book たのしいムーミン一家 (ムーミン童話全集)

著者:山室 静,トーベ・ヤンソン,Tove Jansson
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月刊 クーヨン 2008年 05月号 [雑誌] Book 月刊 クーヨン 2008年 05月号 [雑誌]

販売元:クレヨンハウス
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“考えることを重視する”と言われているフィンランドの教育。15歳を対象に行なっている学習到達度調査PISAで常に上位を占め、注目を集めています。上記の「青い光が見えたから」の中でも触れられていますが、フィンランドと日本の教育制度はずいぶん違っているようです。

月刊「クーヨン」2008年5月号では、「見てきました!フィンランドの子育て」として、保育園、家庭、障害教育、学校…と現地を訪ねて取材した特集が組まれています。

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「空飛ぶナース」

空飛ぶナース Book 空飛ぶナース

著者:山本 ルミ
販売元:新潮社
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「空飛ぶナース」山本ルミ(新潮社)2007年11月発行.255p.1400円

“エスコート・ナース”という仕事が存在することを、この本で初めて知りました。エスコート・ナースとは、海外でケガや病気になった患者さんを飛行機や救急車を使って、希望の場所(病院や自宅)まで付き添い送り届ける仕事なんだそうです。

著者は、“エスコート・ナース”として海外を飛び回りながら、ふだんは東京・六本木にある外国人専門の診察所“インターナショナル・クリニック”に勤務する看護士の女性。

エスコート・ナースは、どんな仕事で具体的にどんなことをするのか。そして、文化や宗教・慣習の違った方々が訪れるインターナショナル・クリニックならではでの体験が綴られていきます。

インターナショナル・クリニックの院長ドクター・アクセノフの波乱に富んだ半生についても触れられています。ドクター・アクセノフは、満州生まれのロシア人医師。八十歳を過ぎていますが、深夜でも早朝でも往診に出かけるスーパードクター。ドクターの往診に同行して出会った各国のVIPや芸能人の素顔も紹介されています。

世の中にはまだまだ知らない仕事がたくさんありますね。へぇ~、そんなことが…と、実際に働いてる方のエピソードをおもしろく読みました。海外で起こる様々なハプニングにも動じない強さと落ち着きに看護士という仕事の心髄を見たような気がします。

六本木の赤ひげ Book 六本木の赤ひげ

著者:飯島 一孝
販売元:集英社
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「六本木の赤ひげ」飯島一孝(集英社)2003年5月発行.185p.1500円

著者は、六本木のインターナショナル・クリニック院長ドクター・アクセノフに、その波乱に満ちた半生について一年半にわたって聞き取りをし、まとめたのがこの本になります。(ちなみに、この本の中では、アクショーノフという表記になっています).

ロシア革命後の内戦から逃れ、満州で生まれたアクショーノフは、18歳の時に日本から視察にきていた華族・津軽義孝氏と知り合い、日本への留学を勧められる。単身で日本にやって、医学を学び、医師となった。満州から日本にやってきた時には、満州国のパスポートで入国した。しかし、敗戦で満州国は消滅。彼は国籍を失い、無国籍の身となった。その後さまざまな理由でロシアや日本の国籍を取得することをやめたという…。

戦後、米陸軍病院に勤務したことで、通訳や治療を通じてA級戦犯として巣鴨プリズンに拘置されていた被告たちと交流があったといいます。また冷戦時にはスパイだと疑われて何度も事情を聞かれたり逮捕されたりもしたようです。

お金のある患者からはしっかりともらい、貧しい患者には無料で診察治療をする。往診にも積極的に出かけ、各方面からの信頼も厚く、1998年には、長年にわたり、人種・宗教・階層を問わず、患者の治療に尽力したとして、吉川英治文化賞を受賞しているそうです。

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「宋姉妹」

宋姉妹―中国を支配した華麗なる一族 (角川文庫) Book 宋姉妹―中国を支配した華麗なる一族 (角川文庫)

著者:伊藤 純,伊藤 真
販売元:角川書店
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「宋姉妹-中国を支配した華麗なる一族」NHK取材班・著(角川書店)1995年6月発行.220p.1400円

「昔、中国に三人の姉妹がいた。一人は金を愛し、一人は権力を愛し、一人は中国を愛した」。

金を愛した長女・靄齢、中国を愛した次女・慶齢、権力を愛した三女・美齢。

宋慶齢と孫文の結婚に始まり、宋美齢と蒋介石の結婚によって完成した「宋王朝」。孫文の死後、蒋介石によるクーデターが、三姉妹の亀裂をもたらす。自ら訣別の道を選び、「宋王朝」を崩壊させるために戦いつづけた慶齢。20世紀の中国の激動を生き抜いた宋三姉妹の物語…。

1994年7月にNHKで放送された、ドキュメンタリー・ドラマ「宋姉妹」を書籍化したもの。

抗日戦争時の中国とアメリカの密接な関係、その外交関係を築くためにファーストレディーとして美齢が果たした役割、宋一族の大規模な不正と腐敗…。知らなかった歴史の事実と裏側に驚き、三姉妹の波乱万丈な生涯に圧倒されながら、夢中になって読みました。面白かったです。

政治的なことはわかりませんが、一人の女性の生き方として印象に残ったのは、亡き夫・孫文の遺志を貫き通した慶齢の強さでした。

書影は角川文庫版を使わせてもらっていますが、実際読んだのは単行本の方です。単行本が出版された1995年時点では、美齢97歳、ニューヨークで健在でしたが、2003年10月に105歳で亡くなったそうです。

中国がどんな歴史を歩んできたのか。大まかでいいから知りたいと思って読んだ本。子ども向けなので、高学年くらいから読めます。点でしかわかっていなかった人や事柄が、線としてつながりました。

はじめてであうアジアの歴史〈3〉中国の歴史 (国際理解シリーズ) Book はじめてであうアジアの歴史〈3〉中国の歴史 (国際理解シリーズ)

著者:歴史教育者協議会
販売元:あすなろ書房
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「はじめてであうアジアの歴史 3.中国の歴史」NHK取材班・著(あすなろ書房)1998年1月発行.48p.2800円

「ナショナルジオグラフィック誌」のナショナルジオグラフィック協会が、子ども向けに出版した“世界の国”シリーズ。1巻に1国ずつとりあげて、地理・自然・歴史・文化・政治経済と5つの項目についてまとめています。調べものなどで、特定の国について調べている時など便利に使えます。

中国 (ナショナルジオグラフィック 世界の国) Book 中国 (ナショナルジオグラフィック 世界の国)

著者:ジェン・グリーン
販売元:ほるぷ出版
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「中国(ナショナルジオグラフィック世界の国)」ジェン・グリーン著(ほるぷ出版)2007年10月発行.64p.2000円

急速に近代化したところと昔から変わらないところが混在・混沌としているような印象がある中国。来年の北京オリンピックは、2008年8月8日午後8時に開会式を行なう予定だとか。(中国では“8”は繁栄を意味する縁起のいい数字なんだそうです)。

さすが・・・というか、写真がとても美しいです。バダインジャラン砂漠の砂丘を越えていくフタコブラクダの群れの写真にうっとりと見入ってしまいました。

「長江哀歌」という映画の舞台にもなった三峡ダムのこと(2009年完成予定の世界最大のダム。この建設で水位が上がるため、およそ120万人の人々が移住しなければならなかったそうです)。ササしか食べないパンダは、ササにはわずかな栄養しかなく大量に食べなくてはならないので、1日16時間を食べることに費やしている…など、いろんなことに興味が広がりました。

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小中学生にもわかる地球温暖化に関する本

地球温暖化問題に取り組んできた、前アメリカ副大統領のゴア氏と「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が、ノーベル平和賞を受賞しましたね。

京都議定書がわかる絵事典―地球の環境をまもる世界基準 数値目標から身近な取り組みまで Book 京都議定書がわかる絵事典―地球の環境をまもる世界基準 数値目標から身近な取り組みまで

販売元:PHP研究所
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「京都議定書がわかる絵事典」(PHP研究所)2006年1月発行.79p.29㎝.2800円

エネルギー絵事典 Book エネルギー絵事典

販売元:PHP研究所
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「エネルギー絵事典」(PHP研究所)2006年7月発行.80p.29㎝.2800円

地球温暖化 (池上彰の君ならどう考える、地球の危機 1) Book 地球温暖化 (池上彰の君ならどう考える、地球の危機 1)

著者:アンソニー・リシャック
販売元:文渓堂
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「地球温暖化(池上彰の君ならどう考える地球の危機1)」アンソニー・リシャック著 吉井知代子・訳 池上彰・日本語版監修(文渓堂)2007年3月発行.31p.29㎝.2800円

天気と気象 (ポプラディア情報館) Book 天気と気象 (ポプラディア情報館)

著者:武田 康男
販売元:ポプラ社
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「天気と気象(ポプラディア情報館)」(ポプラ社)2006年3月発行.191p.29㎝.6800円

ツバル―海抜1メートルの島国、その自然と暮らし Book ツバル―海抜1メートルの島国、その自然と暮らし

著者:遠藤 秀一
販売元:国土社
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「ツバル」遠藤秀一/写真・文(国土社)2004年2月発行.40p.23㎝.1600円

南太平洋、フィジーの近くに9つの小さな島々からなる「ツバル」という国があります。ツバルは、地球温暖化のために海面が上昇し、このまま放置すると、21世紀の半ばには海中に沈んでしまうことが予想されています。

ツバルで暮らす人々の暮らしぶり、温暖化の影響による被害が目立つようになってきた島の様子を追いかけた写真絵本です。

なぜツバルにこのような被害が起きているのか…。巻末には、その原因となっている地球温暖化についての説明と、ツバルの国のデータや歴史についても掲載されています。

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星野直子「星野道夫と見た風景」

とんぼの本 星野道夫と見た風景 (とんぼの本) Book とんぼの本 星野道夫と見た風景 (とんぼの本)

著者:星野 道夫,星野 直子
販売元:新潮社
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「星野道夫と見た風景」星野道夫.星野直子(新潮社)2005年1月発行.125p.1300円

星野道夫さん39歳、その後奥様となる直子さんは22歳。二人は、1991年暮れ、星野さんのお姉さんの紹介で、お見合いという形で出会います…。(福音館の“たくさんのふしぎ傑作集「アラスカたんけん記」の扉で、エスキモーのパーカーを着て立っている写真が、星野さんのお見合い写真だったそうですよ)。

1996年夏、ヒグマの事故で亡くなった星野道夫さん。直子さんが、二人で過ごした5年間を初めて語ります…。

直子さんの回想録とともに、その時期撮影し作品として残した写真とエッセイの抜粋も同時に掲載されています。

亡くなった後、直子さんが年譜を作る作業をしていたら、結婚をした年には、直子さんの好きな花の撮影が多く、初めて撮影に同行する奥様のために安全な行程を組んでくれていたこと、また、お子さんが生まれた次の年の夏には長期の撮影を一度も入れていないことに気がついたと言います。息子さんの誕生をどんなに喜び、かわいがっていたか…。星野さんの家族への愛情がたっぷりと伝わってきて、切なくなりました。

5年間を時系列に並べ追っているので、アラスカに拠点を置きながら、星野さんの興味がどんな風に広がっていったのかも知ることができて興味深かったですね。今まで断片的に読んできた星野さんの作品が一本につながった感じです。

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9.11

あれから6年…。

9・11生死を分けた102分  崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言 Book 9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言

著者:ジム・ドワイヤー,ケヴィン・フリン
販売元:文藝春秋
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リサ ニューヨークへいく Book リサ ニューヨークへいく

著者:ゲオルグ ハレンスレーベン,アン グットマン
販売元:ブロンズ新社
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「リサ ニューヨークへいく」アン・グットマン作 ゲオルグ・ハレンスレーベン絵 石津ちひろ訳(ブロンズ新社)2001年1月発行.1000円

リサは、ニューヨークに住むおじさんのところへ、一人で遊びにきます。毎日わくわくしながらいろんなところに出かけますが、一番行きたかったところは、世界貿易センター。みんなにおみやげを買うために、世界貿易センターに行きますが、そこでおじさんとはぐれ、迷子になってしまいます…。

表紙の画像からもわかりますが、この本は出版された時には、当然のことながらツインタワーが存在しました。

9月のバラ (世界子ども平和図書館) Book 9月のバラ (世界子ども平和図書館)

著者:ジャネット ウィンター
販売元:日本図書センター
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くずれ落ちたビルのすぐそばのユニオン広場。悲しみと苦しみとがあふれるこの場所に、たくさんのバラの花がありました。このバラは、いったいどこからきたのでしょう。実話をもとにしたお話です…。

南アフリカでバラを育てる仕事をしている姉妹は、フラワーショーに出品するため、2001年9月11日ニューヨークに到着します。けれども、そこで目にしたのは、同時多発テロの発生で涙にくれる人々の姿でした。当然、ショーは中止。2400本のバラとともに行き場をなくし、空港で途方にくれていた二人に、宿を提供してくれる人があらわれました。

その人は、バラの使い道がなくなったと話す二人を、ユニオン広場へ連れて行きます。そこで姉妹は、芝生の上に1本1本バラを並べ、くずれ落ちた2つのビルをかたち作っていったのです…。

「9月のバラ」ジャネット・ウィンター文・絵 福本友美子訳(日本図書センター)2005年6月発行.33p.17×14cm.1600円

あの日のことをかきました―ニューヨークとアフガニスタン 絵でつたえる子どもたちの心 (シリーズ・子どもたちの未来のために) Book あの日のことをかきました―ニューヨークとアフガニスタン 絵でつたえる子どもたちの心 (シリーズ・子どもたちの未来のために)

著者:エクトル シエラ,Hector Sierra
販売元:講談社
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ゾウたちの物語

サクラ―日本から韓国へ渡ったゾウたちの物語 (動物感動ノンフィクション) Book サクラ―日本から韓国へ渡ったゾウたちの物語 (動物感動ノンフィクション)

著者:キム ファン
販売元:学習研究社
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「サクラ-日本から韓国へ渡ったゾウたちの物語」キム・ファン(学習研究社)2007年3月発行.130p.22㎝.1200円

日本から韓国へ渡った最初のゾウは、役人を踏み殺し島流しになって死にました。二番目に渡ったゾウは、戦争のために殺されました。サクラは、三番目に日本から韓国へ渡ったゾウなのです…。

サクラは、宝塚ファミリーランドの動物園が閉園になったのをきっかけに、2003年韓国へもらわれていくことになったゾウです。

著者のキム・ファンさんは、日本で生まれて日本で育った在日韓国人。日本と韓国の二つの国のはざまで生きてきたキムさんは、日本から韓国へと渡ったゾウの歴史を紐解いていくうちに、サクラのことが心配でたまらなくなりました。サクラは、今、韓国でどうしているのでしょうか?キムさんは、調べ始めます…。

これまで日本から韓国へと渡ったゾウの悲しい運命、そして桜の木は韓国にとって日本の植民地支配を思い起こす木であるということ…など、知らないことばかりに驚きながら、グイグイと読まされました。

また、キムさんが次々わいてくる疑問に対して、どのような手立てを使ってどんな文献・資料で調べていくのか、その過程が興味深くおもしろかったです。

この本は、第一回子どものための感動ノンフィクション大賞の最優秀作品を受賞しています。小学校四年生くらいから読めるでしょうか。

かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本) Book かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)

著者:土家 由岐雄
販売元:金の星社
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「かわいそうなぞう」つちやゆきお文 たけべもといちろう絵(金の星社)1970年1月発行.25×18㎝

もしも敵の爆弾が動物園に落ちて、動物たちがおりの外に出れば混乱を引き起こす…。このような理由で軍は動物たちを処分することを命じます。しかたなく毒入りのえさを与えようとしますが、かしこいゾウたちは食べようとしません。芸をすればえさがもらえると思い、やせたからだで芸をはじめるゾウたち…。(この場面は何度読んでも、うるっときてしまいます)。飼育係の人たちは、悩み苦しみました。やがてゾウたちは餓死します…。

あまりにも有名なこの話は、戦時中、上野動物園で実際にあったことをもとにしたものです。

ともだちをたすけたゾウたち (絵本・ほんとうにあった動物のおはなし) Book ともだちをたすけたゾウたち (絵本・ほんとうにあった動物のおはなし)

著者:遠山 繁年,中川 志郎,わしお としこ
販売元:教育画劇
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「ともだちをたすけたゾウたち」わしおとしこ文 遠山繁年絵 中川志郎解説(教育画劇)2002年5月発行.19×26㎝.32p.1200円

こちらの絵本も、東京の多摩動物公園で実際にあったことを絵本にしています。

多摩動物公園にすむゾウのアヌーラが病気になりました。獣医が食べ物に薬を入れて食べさせようとしますが、薬の匂いがするせいか食べません。ゾウはふだん夜には横になってねむりますが、重くて大きな体が立てなくなるのがわかっているせいか、病気の時はずっと立ち続けます。獣医も飼育係のおじさんも、苦しそうにかべによりかかかるアヌーラを見守ることしかできませんでした。

そんなアヌーラを助けたのは、同じ場所で飼育されているタカコとガチャコの2頭のゾウたちでした。

2頭は同時に、そっと病気のアヌーラの左右に立ち、アヌーラが倒れないように自分たちの体で支えたのです。それも1日だけではなく、アヌーラが元気になるまでの2ヶ月近くにわたって、ずっとそばを離れなかったそうです。

仲間を助けるというゾウの行動と知能の高さに驚かされた1冊です。年長さんくらいから読めるかな。

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「まこという名の不思議顔の猫」

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まこという名の不思議顔の猫」前田敬子,岡優太郎著.(マーブルトロン)2007.6月発行

犬派か猫派かと問われれば、ワタクシ、猫派でゴザイマス。

以前の生育環境により、ガリガリにやせて(毛もすっかり抜け落ちて、とってもかわいそうな姿でした…)、心開かなかったというのが、うそのよう。飼い主の深い愛情を感じます。こんな風にお見送りお出迎えをしてくれたら、たまらないよねぇ(出かけたくなくなっちゃう)。かわいいっ!て顔ではないのに、マコの顔が、だんだんいとおしく見えてくるのが不思議。味のある顔をしてます。1枚1枚の写真に付けられたコメントが上手いです!

ブログがあるんですよ~と教えてもらったので調べてみました→こちらから。

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