「空飛ぶナース」
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空飛ぶナース 著者:山本 ルミ |
「空飛ぶナース」山本ルミ(新潮社)2007年11月発行.255p.1400円
“エスコート・ナース”という仕事が存在することを、この本で初めて知りました。エスコート・ナースとは、海外でケガや病気になった患者さんを飛行機や救急車を使って、希望の場所(病院や自宅)まで付き添い送り届ける仕事なんだそうです。
著者は、“エスコート・ナース”として海外を飛び回りながら、ふだんは東京・六本木にある外国人専門の診察所“インターナショナル・クリニック”に勤務する看護士の女性。
エスコート・ナースは、どんな仕事で具体的にどんなことをするのか。そして、文化や宗教・慣習の違った方々が訪れるインターナショナル・クリニックならではでの体験が綴られていきます。
インターナショナル・クリニックの院長ドクター・アクセノフの波乱に富んだ半生についても触れられています。ドクター・アクセノフは、満州生まれのロシア人医師。八十歳を過ぎていますが、深夜でも早朝でも往診に出かけるスーパードクター。ドクターの往診に同行して出会った各国のVIPや芸能人の素顔も紹介されています。
世の中にはまだまだ知らない仕事がたくさんありますね。へぇ~、そんなことが…と、実際に働いてる方のエピソードをおもしろく読みました。海外で起こる様々なハプニングにも動じない強さと落ち着きに看護士という仕事の心髄を見たような気がします。
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六本木の赤ひげ 著者:飯島 一孝 |
「六本木の赤ひげ」飯島一孝(集英社)2003年5月発行.185p.1500円
著者は、六本木のインターナショナル・クリニック院長ドクター・アクセノフに、その波乱に満ちた半生について一年半にわたって聞き取りをし、まとめたのがこの本になります。(ちなみに、この本の中では、アクショーノフという表記になっています).
ロシア革命後の内戦から逃れ、満州で生まれたアクショーノフは、18歳の時に日本から視察にきていた華族・津軽義孝氏と知り合い、日本への留学を勧められる。単身で日本にやって、医学を学び、医師となった。満州から日本にやってきた時には、満州国のパスポートで入国した。しかし、敗戦で満州国は消滅。彼は国籍を失い、無国籍の身となった。その後さまざまな理由でロシアや日本の国籍を取得することをやめたという…。
戦後、米陸軍病院に勤務したことで、通訳や治療を通じてA級戦犯として巣鴨プリズンに拘置されていた被告たちと交流があったといいます。また冷戦時にはスパイだと疑われて何度も事情を聞かれたり逮捕されたりもしたようです。
お金のある患者からはしっかりともらい、貧しい患者には無料で診察治療をする。往診にも積極的に出かけ、各方面からの信頼も厚く、1998年には、長年にわたり、人種・宗教・階層を問わず、患者の治療に尽力したとして、吉川英治文化賞を受賞しているそうです。

