七夕の絵本

絵本「たなばたさま」

「たなばたさま」住井すゑ 滝平二郎(ブッキング)2007年2月発行.1800円

中国・山西省の一つを治める王(ワン)家は、隣の領主から攻め込まれて滅ぼされてしまいます。王家の二人の子ども-15歳の兄・白光と、13歳の妹・紅華-は、南に下りなさいという母の忠告を受けて、館から逃げだします。

二人は、南に南にへと逃げていく途中で、おかあさんが、亡くなって天の川の星となったことを知ります。

白光と紅華は、身分を隠して奴隷となり、白光は牛牽きに、紅華は機織としてよく働きます。

けれども、奴隷の掟として、遊ぶ自由がある時は、年に一度、七月七日の夜だけ。兄妹が会えるのもこの日だけ。

あいにく雨になった七月七日は、たんざくに願いごとを書いて、天の川に流しました。二人の願いは、一生懸命働くので、未来はおかあさまのようなお空の星にして下さいというものでした。

それから三年目の七月七日の夜限りで、二人の姿が見えなくなります。領主は、二人が川に身を投げ、白光は牽牛星、紅星は織女星という星になったが、やっぱり年に一度、七月七日の夜しか会えないのだと話しため、仲間たちはその日はお祭りをして、二つの星をなぐさめることにしました。

ただ、もう一つの言い伝えがあり、二人は、心のやさしい領主の助けで、土地も牛も分けてもらい、自由な農民として五台山のふもとで、大勢の人たちの先頭に立ってよく働いたということです…。

夫婦ではなく、兄と妹の物語になっているところが、珍しいお話です。

結構文章のボリュームがあるので、小学校高学年くらいから、大人向け。

素晴らしい切り絵を担当された滝平二郎さんは、今年2009年5月に88歳で亡くなられました。合掌…。

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絵本「おこだでませんように」

「おこだでませんように」くすのきしげのり作 石井聖岳・絵(小学館)2008年7月発行.32p.20×23㎝.1500円

おこだでませんように おこだでませんように

著者:くすのき しげのり
販売元:小学館
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ぼくは、いつも怒られる。家でも学校でも。

昨日も怒られたし、今日も怒られてる。

ぼくは、どないしたら怒られへんのやろ。

ぼくは…「悪い子」なんやろか…。

ぼくは、小学校に入ってから教えてもらったひらがなで、七夕さまにお願いを書いた…。

ぼくが、短冊に一字一字懸命に書いたことばが、タイトルにもなっている「おこだでませんように」。

怒られる前に、いろんな理由があった。でもぼくは、心の中の言葉を飲み込んで、黙って横を向く。横を向いて、何にも言わずに怒られる。

納得いかずに、怒られてばかりの子どもの気持ちが描かれます。頭ごなしに叱る前に、まずは話を聞いてあげなきゃと反省しきり…。

短冊を見て、担任の先生が、ぼくの気持ちに気がついてくれた場面でうるっときました。

子どもより親が、ぐっとくる絵本でしょう。

今年の夏休み、2009年第55回青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部の課題図書になっています。

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絵本「ほしにむすばれて」

「ほしにむすばれて」谷川俊太郎・文 えびなみつる・絵(文研出版)2009年4月発行.32p.26×21㎝.1300円

ほしにむすばれて えほんのもり ほしにむすばれて #えほんのもり#

著者:谷川 俊太郎
販売元:文研出版
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星が大好きだったおじいちゃんの人生を、孫のぼくが語っていきます…。

おじいちゃんは、子どもの頃から星が好きだった。

遊び終わった帰り道、見守るように輝いていた一番星。七夕祭りの竹を切ってくるのは、いつもおじいちゃんの役目だった。高校生の時には、自分で望遠鏡も作った。

恋人と見上げた星空。結婚して生まれたぼくのおかあさんは、星物語をたくさん読んで大きくなった。定年後、おじいちゃんは、星がよく見える山の上に家を建てて、孫のぼくと一緒に星を見た。

亡くなってしまったおじいちゃんが子どもの頃に使っていた望遠鏡は、今はぼくが受け継いでいる。

“おじいちゃんは、このそらのどこかにいる

ほしぞらをみていると ぼくにはそれがわかる”

ぼくが語るおじいちゃんの人生と、絵が語る宇宙のドラマが、交互に描かれます。おじいちゃんを虜にした星の魅力は、お母さんから、ぼくへと伝わり、家族の絆を結んでいきます。

夜空の広がりが感じられる、えびなみつるさんの絵が素敵です。静かにゆっくりと、読みたい1冊です。

小学校中学年くらいから。

本文の中にちらりと書かれているので、七夕の絵本の中に入れましたが、本来は星の絵本のくくりでしょうか。

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たばたせいいち「ひ・み・つ」

ひ・み・つ (たばたせいいちの絵本) Book ひ・み・つ (たばたせいいちの絵本)

著者:たばた せいいち
販売元:童心社
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「ひ・み・つ」たばたせいいち(童心社)2004年5月発行.52p.27×19㎝.1300円

ゆうきは、もうすぐ80歳になるしんばあちゃんに「プレゼントにいちばんほしいものはなんですか」と手紙を書きます。すると、「一番ほしいものは、ゆうきの笑顔。それと、これはひみつなんだけど、天国のおじいちゃんと40年ぶりに会ってダンスがしたい」と打ち明けてくれました。

しんばあちゃんの願いを叶えてあげたいと思ったゆうきは、なかよしの友だちに相談して、去年劇でやったまほううつかいになってみることにします。しんばあちゃんが作ってくれたぼうしをかぶってみると、動物の言葉がわかるようになり、のらねこのドラから「そのぼうしをかぶってお宮の森に行きなさい」と教えてもらいます。

その森で出会ったふくろうじいさんに、「たなばたさまの夜に、おりひめとひこぼしによーく頼むのじゃ」と言われたゆうきは、友だちと一緒にたなばたさまの星祭りをやる計画を立てます。そして、その夜、ふと目をさましたしんばあちゃんの身の上に不思議なことが起こります…。

いいお話です。おばあちゃんの願いを叶えてあげたいと奮闘するゆうきの優しい気持ちにキュンとします。ゆうきとおばあちゃんが交わす手紙も楽しい。少し長いお話なので、小学生くらいからかな。おすすめです。

ちなみにこのお話に出てくる「ききみみずきん(聴耳頭巾)」-しんばあちゃんが作ってくれたゆうきのぼうしがこれにあたります-とは、鳥獣の言葉がわかる頭巾によって福を得るというもの(「広辞苑」より)。

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たなばたの絵本

七夕の由来の絵本です。

たなばた (こどものとも傑作集 (49)) Book たなばた (こどものとも傑作集 (49))

著者:君島 久子,初山 滋
販売元:福音館書店
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「たなばた」君島久子・再話 初山滋・絵(福音館書店)1976年発行.28p.20×27㎝.743円

天の川の東には機織の上手な七人の天女たちが(なかでも末娘の織姫が一番上手でした)、西側には年とった牛と暮らす牛飼いがおりました。

ある日、牛から「天の川へ水浴びにくる織姫の着物を隠してしまいなさい」と言われた牛飼いはその通りにし、着物がなく飛べない織姫に「どうぞ私の妻になって下さい」と申し出ます。夫婦となった二人の間には、二人の子どもが産まれ、親子は幸せに暮らしていました。

しかし、それが天の王母さまに知れて、織姫は天へ連れ戻されてしまいます。牛飼いは、子どもとともに織姫の後を追いかけますが、王母さまによって天高く引き上げられた天の川によって道をはばまれてしまいました。

悲しむ牛飼いに、年老いた牛は「私が死んだら皮をはいで着物を作りなさい。それを着れば天まで上っていける」と言って、死んでしまいました。

牛飼いは言われた通りに牛の皮を着て、子どもを連れて空高く上っていきました。天の川を渡ろうとした時に、王母さまがその川にかんざしで線を引きます。すると浅かった天の川がごうごうと波の逆巻くものに変わってしまいました。そこで三人は持ってきたひしゃくで交代で川の水をくみ出します。

それを見ていた王母さまは、かわいそうになり、一年に一度七月七日にかささぎがかける橋を渡って織姫と会うことを許しました。七夕に雨が降るのは、織姫が流す涙。天の川の両側に強く光る二つの星が牛飼いと織姫。牛飼いのそばに二つ並んだ小さな星が二人の子どもたちなんです…。

中国民話をもとに君島久子さんが再話したもの。羽衣伝説が絡んだようなストーリーですね。なんといっても、初山滋さんの淡い幻想的な絵が美しい。

同じ七夕の由来でもいろんな説がありますね。こちらは「彦星(アルタイル)と織姫(ベガ)」のお話です。

たなばたものがたり (行事の由来えほん) Book たなばたものがたり (行事の由来えほん)

著者:二俣 英五郎,舟崎 克彦
販売元:教育画劇
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「たなばたものがたり」舟崎克彦・文 二俣英五郎・絵(教育画劇)2001年5月発行.32p.19×26㎝.1200円

大昔の中国のお話。天帝の娘・おりひめは、明けても暮れても機を織って、美しい服を作っていました。髪を結う暇も化粧をするゆとりもない織姫をかわいそうに思った天帝は、婿をもらってやることにしました。天帝が選んだのは、天の川のほとりで牛の世話をしている働き者の牛飼いでした。

二人はひきあわされたとたんにお互いを好きになり、織姫は機を織ることを忘れ着飾ることに夢中になりました。牛飼いも牛の世話をほったらかしにしたので牛は病気にかかってしまいました。天帝は、忠告にも耳をかさず、遊んでばかりいる二人に腹を立て、むりやり引き離してしまいました。会えなくなった二人は泣き暮らすばかり。

困り果てた天帝は、元通り働くならば年に一度だけ会えるようにしてやろうと約束します。待ちに待った日、二人が天の川の川岸でどうやって渡ろうかと思案していると、カササギが川の上に橋をかけてくれました。二人はこうして年に一度、七月七日に互いの思いをたしかめることができるのです…。

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