絵本「黄金りゅうと天女」
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本の中に書かれてはいないのですが、沖縄に伝わる民話なのではないでしょうか。
むかしむかし、那覇のまちに、夫婦になりたいと願う若い男女がいた。けれども男はさむらいで、女は百姓の生まれだったから、身分違いの夫婦はならぬと言われ思案にくれていた。
ある晩、枕もとに天女があらわれ、「泊のはまから舟にのり、慶良間にわたって暮らすがよい」という不思議な夢を二人そろってみた。
その言葉にそって慶留間島に渡った二人は結婚し、女の子を授かった。この子は、島のみんなから可愛(かなー)とよばれ、かわいがられた。
七つの誕生日を迎える朝、可愛は「わたしは天にいかねばなりませぬ」と言い残し、慶留間のてんぺんのオタキ山に向かった。そこで、大きく手招きすると、阿嘉島のオフタキ山のあかりから黄金色の竜がやってきて、可愛を背中に乗せると消えていってしまった。
それから何年かが過ぎ、大和のかいぞくせんが阿嘉島と慶留間島に上陸し、食べ物や財産を奪い、娘や子どもをさらいはじめた。すると、突然オフタキ山から黄金竜が竜巻を起こしながらあらわれ、かいぞくせんとかいぞくどもをこっぱみじんにした。この時、島の人たちは竜の背中に座る美しい天女を見たという。「きっと可愛だ」「可愛がわしらをすくってくれたのじゃ」と人々は両手を合わせいつまでもおがんでいたという。
黄金竜が去る前に、奥武島のてっぺんにつきさした青竹は、大百合の林となって今でもこの島に残っているそうです。
「黄金(こがね)りゅうと天女」代田昇・文 赤羽末吉・絵(銀河社)1974年9月発行.32p.30㎝×21㎝.1240円
