世界の昔話

「いしになったかりゅうど」

「いしになったかりゅうど」大塚勇三・再話 赤羽末吉・画(福音館書店)1970年12月発行.36p.23×32㎝.1400円

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モンゴルの民話。

若い親切な狩人ハイリブは、つるに襲われた白へびを助けたお礼に、鳥や獣のことばがわかる宝の玉をもらいます。そのかわり、動物から聞いたことは決して人間に話してはいけない。もししゃべってしまうと、石になって死んでしまうと言われます。

それからハイリブは、動物たちの言葉がわかるため、狩がとても楽になりました。

月日が流れたある日、山奥でたくさんの鳥の群れが「あしたはここらの大きな山がくずれるぞ。大水があふれだし、みんな溺れて死んじまうぞ!」と言いながら、逃げていきました。

それを聞いたハイリブは、大急ぎで戻り「早く、他のところに移ろう!ここにいたら大変だ!」とみんなに言いますが、誰一人信じてくれません。

そんなことを言い出したのには訳があるのかと問いつめられたハイリブは、みんなをほっといて自分だけ逃げ出すことはできないと、動物のことばがわかる宝の玉を手に入れた経緯を話し出します。話しているうちにハイリブは石に変わってしまいました。

みんなは石になったハイリブを見て、悲しみながらも急いで逃げ出します。

あくる朝、大雨で山が崩れ、大洪水になります。逃げ出すことができた人々は、ハイリブのおかげだと感謝し、ハイリブだった石を探し出します。それは山の上に祀られ、今でも「ハイリブの石」と呼ばれているそうです。

今年2009年の3月に福音館から限定復刻された絵本20冊の1冊です。

自分の命を犠牲にしてみんなを助けた男の話。日本ではこの話が有名でしょうか。

「八郎」斎藤隆介・作 滝平二郎・画(福音館書店)1967年11月発行.32p.31×24㎝.1100円

八郎 #日本傑作絵本シリーズ# 八郎 #日本傑作絵本シリーズ#

著者:斎藤 隆介
販売元:福音館書店
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秋田の八郎潟の由来の話。

昔、秋田の国に心優しい大男、八郎が住んでいた。

ある日、海が荒れて、田んぼに海水が入り込んで困っている村人たちのために、山を持ち上げ、海の中に放りこみ、水が入ってくるのをせき止めた。

けれども、もっと大きな波がやってきて大騒ぎになった時、さっき沈めた山の隣に行って、両手を広げ、寄せてくる波を押し返した。

「わかったあ!おらがなしていままで、おっきくおっきくなりたかったか!おらはこうしておっきくおっきくなって、こいうしてみんなのためになりたかったんだ…」

八郎が海に放った山は、寒風山。八郎は八郎潟となった…。

秋田を舞台に、もう一人、村人たちの暮らしを守るために命を捧げた大男の話があります。

「三コ」斎藤隆介・作 滝平二郎・画(福音館書店)1969年8月発行.32p.31㎝.1100円

三コ #日本傑作絵本シリーズ# 三コ #日本傑作絵本シリーズ#

著者:斎藤 隆介
販売元:福音館書店
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秋田の南、オイダラ村にずっと昔から生きていると言われている、心優しい大男・三コがいた。

三コは、仕事のないオイダラ村のオンチャ(土地を分けてもらえない次男坊・三男坊)のために、はげ山だったオイダラ山に木を植えた。

ところがある夜、そのオイダラ山が火事になった。三コは「いいかァ、火がきえたら、焼けあとには木を植えるんだゾゥ。」という言葉を残し、大きな体で燃えさかるオイダラ山に覆いかぶさり、山を守った…。

「八郎」は秋田弁で書かれていますが、「三コ」は標準語で書かれています。

この本も3月に福音館から限定復刻された絵本20冊の1冊です。

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絵本「あまがえるさん、なぜなくの?」

「あまがえるさん、なぜなくの?」キム・ヘウォン文 シム・ウンスク絵 池上理恵 チェ・ウンジョン共訳(さ・え・ら書房)2008年7月発行.30×22㎝.26p.1500円

韓国の昔話。

昔、かあさんの言うことをきかない、あまのじゃくのあまがえるのこがいました。

火を持ってきてと頼むと水を持ってきて、すわってと言うと立ち上がり、おいでと言うとあっちへいって…。かあさんが何を言っても、反対のことばかりしていたのです。

かあさんは、心配のあまり病気になってしまい、「ぼうや、わたしが死んだら、山ではなく川のそばに埋めてね」と言い残して死んでしまいます。かあさんは、本当は山に埋めて欲しかったのですが、わざと反対のことを言ったのです。

あまがえるは、母さんが反対に言ったとも知らずに、最後だけは遺言を守り、川のそばに埋めたのです。

それからあまがえるは、雨が降りそうになると、かあさんのお墓が流されたらどうしようと心配して鳴くようになったということです。

雨が降る前にあまがえるが鳴くようになった由来話になっています。

どこかで読んだことのあるストーリーだなと思ったのが、第一印象。日本にも似たような昔話があるんだと思われます。

わざと逆のことばかりやるあまのじゃく。いるいる…と思う方もいるかもしれません。ラストが切ないです。

色鉛筆(?)で描かれたあまがえるが、なんともユーモラス。カエル好きには、たまらないかわいさです。

2005年少年韓国日報優秀賞、2006年韓国出版文化大賞受賞作品。

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絵本「にげろ!にげろ?」

「にげろ!にげろ?-インドのむかしばなし」ジャン・ソーンヒル再話・絵 青山南・訳(光村教育図書)2008年4月発行.32p.29×23㎝.1500円

インドに伝わるジャータカのお話をもとにした絵本です。

森の中で、真っ赤に熟れたマンゴーの実が、地面に落ちました。その大きな音を聞いたわかいノウサギは、「たいへん!世界がこわれはじめた」と思いこみ、何の音だったのか確かめることもなく、必死で走り始めます。

世界がこわれはじめたといううわさは、森の動物たちの間にどんどん広がり、合わせて4000匹ものノウサギとイノシシ、シカとトラとサイたちが、走り出しました。

逃げる動物たちの群れが、ライオンのすみかにたどりつきました。そこで出あった1頭の若いライオンは、慌てていっしょに走り出したりせずに、世界が本当にこわれはじめているのか確かめにいきました…。

「ジャータカ」というのは、古代インドの仏教説話集のことで、お釈迦様がこの世に生まれる以前、ボーディサッタ(菩薩)として、人間に生まれたり動物に生まれたりして、多くの善行、功徳と行う物語で、547話からなるものなんだそうです。

岩波少年文庫の中に「ジャータカ物語」があります。

「ジャータカ物語-インドの古いおはなし」辻直四郎/渡辺照宏・訳(岩波少年文庫)2006年8月新版発行.232p.640円

「ジャータカ物語」の中では、「あわてウサギ」というタイトルで入っています。

このお話の中では、最初にこの若いライオンが、お釈迦様の化身であると書かれた上で、物語が始まります。

「にげろ!にげろ?」の話を読んで、以前どこかで読んだことがある…と思い出したのが、

「世界のむかしばなし」瀬田貞二・訳 太田大八・絵(のら書店)2000年10月発行.159p.2000円

この本の中の「この世のおわり」というお話です。こちらは、インドの話ではなくて、フィンランドの昔話でした。

この話の中では、空から落ちてきたのがドングリで、「この世のおわりがきたんだわ」とかけだすのは、うさぎではなくてめんどり。そして、逃げたものの何も起こらずおなかがすいてきた動物たちは、言いだしっぺのめんどりや、それを疑いもせずにかけ出しだぶたと犬とめうしを食べてしまうという結末ですが…。

この話は、「あわてんぼうウサギ」として、紙芝居にもなっていますね。

「あわてんぼうウサギ-インドのおはなし」瀬尾七重・脚色 中沢正人・画(教育画劇)1994出版.12場面

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「空とぶじゅうたん」マーシャ・ブラウン

「空とぶじゅうたん」マーシャ・ブラウン再話・絵 松岡享子・訳(アリス館)2008年12月発行.48p.26×21㎝.1600円

日本では「千夜一夜物語」とも訳される、アラビアン・ナイトの物語より。

昔々、インドの王・サルタンには、フセイン、アリ、アーマッドという三人の息子がありました。三人は、従妹にあたるノア・アルニハ王女を愛し、結婚したいと思っていました。

それを知って悩んだサルタンは、三人の息子を呼び出し、「遠い国へ旅に出て、この世でもっとも珍しい宝を持ち帰った者を、王女の夫とする」と言い渡します。

三人はそれぞれ別の国に行き、長男のフセイン王子は、念じればどんな遠くてもあっという間に運んでくれるじゅうたんを、次男のアリ王子は、見たいと念じたものがたちどころに見ることができる象牙の遠眼鏡を、三男のアーマッドは、匂いを嗅ぐだけでどんな病気も治せる魔法のりんごを手に入れ、1年後に合流します。

そこで、象牙の遠眼鏡でノア・アルニハ王女を見てみると、彼女が病気で死の床にあることを知ります。三人はそろって、空飛ぶじゅうたんに乗り、魔法のりんごで、王女の命を救います。

サルタンは、三人の王子たちが手に入れた品それぞれが、王女の命を助けたとして、答えを出すことはできませんでした。

そこで考えたあげく、「馬に乗り、一番遠くまで矢を飛ばしたものを、王女と結婚させる」と約束します。

アリ王子の矢は、フセイン王子のより遠くに飛び、アーマッド王子の矢はどこに落ちたのかわからなくなりました。こうして、アリ王子がノア・アルニハ王女と結婚します。

さてさて、この絵本の中では、その後、フセイン王子は隠者になり、アーマッド王子は彼が放った矢を見つけた妖精ペリ・バヌウと結婚しました…とだけなっていて、最後ちょっと消化不良気味だったので、こちらの本で続きを…。

「あおいろの童話集(アンドルー・ラング世界童話集 第1巻)」アンドルー・ラング編 西村醇子・監修(東京創元社)2008年1月発行.370p.1900円

この本の中では、「アフメド王子と妖精ペリバヌー」として収録されています。

その後の話として…。

矢の行方がどうしても気になったアフメド王子は、探しに出かけます。そして、父王の城から15キロも離れた不毛の岩山に、矢が落ちているのを見つけます。

好奇心にかられ、岩山にあるたくさんある洞窟の一つに入ってみた王子は、そこで名高い魔神の娘-妖精ペリバヌーと出会います。一目でお互いを気に入った二人は、すぐに結婚します。

半年が過ぎ、父に会いに行きたいという王子に、ペリバヌーは、自分たちの結婚と住んでいる場所のことは内緒にしてほしいと言って、送り出します。

アフメド王子は、父王や人々から大喜びで迎えられ、その後も度々、父の元を訪れます。しかし、その度に、身なりも持ち物もどんどん立派になっていくアフメド王子について、側近たちが悪意を持って、王へ疑念をふきこみます。

女の魔術師に命じて、王子の住まいを突き止め、妖精と結婚したことを知った父王は、アフメド王子に三度に渡り、無理難題を命じます。けれども、ペリバヌーに助けられ、彼女の兄のシャイバルが、父王とその取り巻きを全て殺します。アフメド王子は、インドのスルタンとして即位し、ペリバヌーは王妃の座につきます。

アフメド王は、アリ王子とヌーロニハール姫は、この件について何も知らず加わらなかったとして、二人には都にある大きな州を与えます。フーセイン王子にも、どの州が欲しいか知らせて欲しいと使いを出しますが、彼は一人で幸せに暮らしていたので、世捨て人としてひっそり暮らすのを許して欲しいとの返答をしたということです…。

絵本の方は、従妹との結婚相手を決めるまで…。アンドルー・ラング世界童話集では、三男が妻の妖精とともに王座をつくまで…と、物語の終着点が違うため、全く異なった物語を読んだ印象が残りました。

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絵本「十二の月たち」

十二の月たち (世界のお話傑作選) Book 十二の月たち (世界のお話傑作選)

著者:ボジェナ ニェムツォヴァー,出久根 育
販売元:偕成社
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「十二の月たち」出久根育・文・絵 ボジェナ・ニュムツォヴァー再話(偕成社)40p.29㎝.1600円

スラブ民話。

美しいマルシュカは、継母とホレナ義姉からいじわるをされる毎日で、家の仕事も全部一人でさせられていました。

1月のある日、マルシュカはホレナから、「山からスミレの花をつんできてちょうだい」と言いつけられ、雪の山にさがしにいきます。

おなかがすき、寒さに震えるマルシュカは、遠くに見えた明かりをめざして、山の頂上までやってきました。するとそこには、焚き木を囲んで座る12人の男たちがいました。

この12人の男たちは、十二の月だったのです。

マルシュカから事情を聞いた“一月”が“三月”を指名し、彼が焚き木の上で杖をふりかざすと、たちまち雪がとけはじめ、春がやってきます…。

出久根育さんの絵にひかれて手にとりました。この「十二の月たち」は、これまでも絵本化されていますね。(個人的には、出久根さんの絵本がイチオシです!)

12の月たち―スロヴァキア地方の昔話 (ミキハウスの絵本) Book 12の月たち―スロヴァキア地方の昔話 (ミキハウスの絵本)

販売元:三起商行
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Book 12の月たち―スラブみんわ (児童図書館・絵本の部屋)

著者:サムエル マルシャーク
販売元:評論社
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チェコやスロヴァキアからロシアにかけて、広くスラヴ地方で知られている民話だそうです。マルシャークの「森は生きている」の原話となっています。

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韓国の絵本「あずきがゆばあさんとトラ」

あずきがゆばあさんとトラ (韓国の絵本10選) Book あずきがゆばあさんとトラ (韓国の絵本10選)

著者:ユン ミスク,チョ ホサン
販売元:アートン
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「あずきがゆばあさんとトラ」チョ・ホサン文 ユン・ミスク絵 おおたけきよみ訳(アートン)2004年11月発行.1500円

昔、山里の畑で、たくさんのあずきを育てているおばあさんがいました。ある日、裏山からトラが降りてきて、おばあさんを食べようとしました。おばあさんは、「あずきが実って、あずきがゆを1杯食べるまで待っておくれ」と頼みました。

秋になり、あずきが実ると、おばあさんはあずきがゆをお釜にいっぱい作りました。けれども、トラに食べられてしまことを思うと、悔しく悲しくて泣いていました。

すると、たまごにスッポン、うんち、きり、石うす、むしろ、しょいこが、次々とやってきて、あずきがゆを1杯分けてくれたらおばあさんを助けてあげることを約束します…。

日本の“さるかに”の昔話を彷彿とさせます。このお話は、韓国の昔話の中でも、ポピュラーなものなんだそうです。ユーモラスな絵と繰り返しが楽しくて、お国が違っても、すんなり受け入れられるのではないでしょうか。裏表紙で、みんな揃ってあずきがゆを食べてるシーンが、かわいらしいですね。

ちなみに、韓国では冬至にあずきがゆを食べる習慣があるそうです。

かにむかし―日本むかしばなし (大型絵本 (27)) Book かにむかし―日本むかしばなし (大型絵本 (27))

著者:木下 順二,清水 崑
販売元:岩波書店
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「かにむかし」木下順一・文 清水崑・絵(岩波書店)1959年12月発行.640円

むかしむかし、かにが浜辺で、柿の種を拾ってきた。かにはその種を庭にまいて、毎日せっせと世話をしたので、柿はたくさんの大きな実をつけた。

かにはその実をもごうと、何度も木に登ろうとするけれど、落ちてしまう。

そこへ山から、一匹のさるが降りてきて、「そんならおらがもいでやろうか」と、柿の木にかけのぼり、自分だけ次から次へと食べ始めた。かにが「いっちょぐらい、もいでよこさんか」と言うと、さるはかに青い柿を投げつけて殺してしまう。

つぶれたかにの甲羅の下から、たくさんのかにの子どもたちが這い出してきた。かにの子どもたちは、自分たちできびをまいて作ったきびだんごを腰につけて、親がにのあだうちに出かけた。

途中出会った、ぱんぱん栗と蜂、牛のふん、はぜ棒、石うすも、日本一のきびだんごをわけてもらい、仲間となって、さるの番屋にやってきた…。

この絵本の中では、さるがかににうまいことを言って柿の種とおにぎりを交換する場面はなく、桃太郎の話に似たきびだんごが登場します。

「かにどんかにどん、どこへゆく」「さるのばんばへあだうちに」「こしにつけとるのは、そらなんだ」「にっぽんいちのきびだんご」「いっちょくだはり、なかまになろう」「なかまになるならやろうたい」…。この繰り返しのリズムがよくて、何度も読んでいるうちに覚えてしまいます。

勇ましいわりには、どこかとぼけた絵がユニークです。

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グリム「ロバのおうじ」

 ロバのおうじ ロバのおうじ
販売元:セブンアンドワイ
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「ロバのおうじ」グリム兄弟・原作 M・ジーン・クレイグ・再話 バーバラ・クーニー・絵 もきかずこ・訳(ほるぷ出版)1979年6月発行.48p.27×19㎝.1311円

昔、お金が好きな王と、着飾ることが好きなお妃がいました。子どものいない二人は、授かるようにと魔法使いのところに頼みにいきました。ところが、約束したお金をきちんと払わなかったため、魔法使いの怒りをかいます。魔法使いが呪文をかけたので、王子はロバの姿で生まれてきてしまいます。

ロバの王子は、いくら利発で王子にふさわしくても、その姿のために、両親から見向きもされず、お城の子どもたちからも相手にされません。そこでロバの王子は得意のリュートを携え、ロバの姿でも愛してくれる人を求めて旅に出ます…。

魔法の呪文が解けるのは、誰かがその人の姿形を気にとめず、心から愛するようになること。見てくれではなくて、その人の本質を愛せるかという問題ですね。

バーバラ・クーニーの絵が、グリムのお話と合っていて、とても美しい。(ロバがかわいいんです…)。文章は長め。小学生くらいから読めますが、子どもより大人におすすめしたい絵本です。

ちなみに、リュートという楽器は、このようなものです。

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小野かおる「ニューワと九とうの水牛」

 ニューワと九とうの水牛 ニューワと九とうの水牛
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むかしむかし、山深い小さな村にやせてぼろぼろの服を着た小さな男の子が迷い込んできました。村の人たちはかわいそうに思ってニューワと名付け、みんなでその子を育てることにしました。9頭の水牛の世話をすることがニューワの仕事になり、毎日一生懸命世話をしました。

ある年、日照りが続き、人の食べ物も水牛のための草もなくなってきました。ニューワが、水牛に食べさせるための草を探しに行くと、深い淵の中洲に青草が生えているのを見つけます。しかし淵は深く恐ろしくて、水牛たちは怖がっています。そこでニューワは、水の神様の竜王さまに「水牛に淵を渡る力を下さい。助けてくれたら何でもします」と祈ります。すると突然淵の底から大きな石が浮かんできます。その石に水牛を乗せると、すいすいと中州に向かって進み、牛たちは草をおなかいっぱい食べることができました。

時が経ち、ニューワは立派な若者になりました。そして前よりひどい日照りになった年、竜王さまに「雨を降らせて下さい。助けてくれたら何でもします」と頼みます。するとどしゃぶりの雨が降り、人も水牛も水の中に沈みそうになりました。そして突然水の中からサイのような獣があらわれ、ニューワを背中に乗せ、水の中へと潜っていきました。実は竜宮の将軍だったその獣は、ニューワのやさしい人柄を気に入って姫君の婿に迎えたいと申し出ます。しかし、ニューワは水牛たちのことを思い出して、村へ帰して下さいと頼みます。「おまえは助けてくれたら何でもしますといったではないか」と将軍は怒りますが、姫は「あなたが竜宮にずっといてくれるなら、昼間は毎日水牛と一緒にいられるようにしましょう」と言います。

ニューワと姫は、竜宮で一緒に暮らすことになりました。朝、ニューワが笛を吹くと水の中から盛り上がった九つの山が水牛になってニューワのところにやってきます。夕方には、九頭の水牛は淵の中の大きな山-ふしぎな形をした九つの山に変わるのです…。

中国桂林の奇怪な形をした石にまつわる伝説をもとに作った絵本なんだそうです。小野かおるさんの絵がいいですね。遠目のきく絵です。小学校中学年~高学年くらいの読み聞かせに使えそうかな。

「ニューワと九とうの水牛」小野かおる文・絵(福音館書店)2007年1月発行.40p.26×27㎝.1300円

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朝鮮の民話「人食いとらのおんがえし」

人食いとらのおんがえし (朝鮮の民話絵本シリーズ) Book 人食いとらのおんがえし (朝鮮の民話絵本シリーズ)

著者:松谷 みよ子
販売元:佼成出版社
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「人食いとらのおんがえし」松谷みよ子・文 長野ヒデ子・絵(佼成出版)2007年4月発行.32p.22㎝.1300円

むかし、ある山で一人の若者が、どこぞの娘を食べた後、のどにかんざしがささり苦しんでいた人食いとらを助けた。「ありがとう。この恩はきっと返す」と言って虎は走り去った。

次の日、とらが引っこ抜いて届けてくれた大きな木で、若者の暮らしは楽になり、嫁さんがいてくれたらというかあさんとの話を聞きつけて、都から美しい娘をさらってきた…。

日本の民話ではよく犬が恩返しをしますが、朝鮮の民話ではそれが“虎”なんだそうです。

この若者のためなら…と、人さらいも盗みも、自分の命さえも差し出す…。そこまでの忠義には凄まじいものがあります。長野さんの絵も迫力がありながらも、どこかユーモラスです。

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グリム童話「しらゆきべにばら」

しらゆき べにばら グリム童話 しらゆき べにばら グリム童話
販売元:セブンアンドワイ
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「しらゆきべにばら」バーバラ・クーニー絵 鈴木晶・訳(ほるぷ出版)1995年9月発行.48p.1311円

森の小さな家に、母と二人の娘が住んでいました。娘たちは、庭にあるバラに似ていたのでひとりは“しらゆき”、もうひとりは“べにばら”と呼ばれていました。二人はとても仲良しで、働きものでした。

ある晩、大きな黒いクマが、寒くて凍えそうなので火にあたらせてほしいとやってきます。はじめはこわがっていたしらゆきとべにばらでしたが、すぐに慣れて友だちになり、クマが毎晩遊びにくるのが楽しみになりました。しらゆきは、春になってお別れをいいにきたクマとの別れを惜しみました。

それからしばらくして、森にたき木を集めにいった二人は、倒木にひげをはさまれた小人に出会います。二人は悪態をつく小人にも動じずに、何度も小人に親切にしてあげます。そして、たくさんの宝石をひとりじめしようとしている小人の前に、大きな黒いクマがあらわれます…。

バーバラ・クーニーは、赤と白と黒の三色で、このグリムの物語を繊細に描いています。しらゆきとべにばらのなんともかわいらしいこと。そして、小人の徹底した悪者ぶりと、小人の魔法でクマに変えられていた王子としらゆきが結婚するという絵に書いたようなハッピー・エンドが、気持ちいいです。

あとがきによると、「しらゆきべにばら」は、昔から語り継がれてきた話を採集したものではなく、カロリーネ・シュタールが書いた「恩知らずの小人」という話がもとになっているそうです。

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「天女の里がえり」中国の昔話

天女の里がえり―中国のむかしばなし (大型絵本) Book 天女の里がえり―中国のむかしばなし (大型絵本)

著者:君島 久子
販売元:岩波書店
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「天女の里がえり」君島久子・文 小野かおる・文(岩波書店)2007年10月発行.36p.27㎝.1600円

むかし、ある山の池に七羽の白鳥がおりてきて、天女の姿になり水あびをはじめました。それを見ていた若者は、羽衣一枚を隠し、天に帰れなくなった天女に妻になってほしいと頼みます。二人は結婚し、やがて子どもも生まれました。

ある日、天女は天井に隠された羽毛扇を見つけます。これがあれば、天のふるさとへ里がえりできると喜んだ天女は、夫と子どもをつれて天にのぼっていきました。

ところが、天女の父親は、娘が連れてきた人間の婿が気に入らず、彼に対して次々と難題を与えます…。

これは文章を書いた君島久子さんが、中国の少数民族ミャオ族の古老から直接聞いた民話なんだそうです。

ストーリーの前半は日本の羽衣伝説に似ています。後半は、若者(男)に難題が次々と課せられたり、番人と山犬に追われる若者が、天女が持たせてくれたとげの種、竹の種、山水の種を投げつけて(それぞれいばら、竹、山と海に変わります)難をのがれたりと、日本の昔話に(世界の昔話にも…ですが)重なるパターンがいくつか含まれています。

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名前を当てるお話

「トム・ティット・トッド!」岩倉千春・文 飯野和好・絵(ほるぷ出版)1992年5月発行.32p.23×24cm.1450円

なまけんぼのむすめが、ひょんなことから王さまのお妃になりました。「一年のうち、十一か月は好きなように暮らしてよい。けれど、最後のひと月は毎日5かせ、糸をつむぐのだ。できなかったら命はないぞ」という約束で。

むすめは贅沢ざんまいで暮らしていましたが、十二か月めの最初の日、約束通り糸つむぎを命じられて、わあわあ泣きわめきます。なまけんぼうのお妃は、ほんとは糸つむぎなんて一度もやったことがないからです。

そこへ小鬼があらわれて、「毎日、夜までに糸を紡いでもってきてあげるよ。そのかわり、おいらのなまえをあてるんだ。最後の日までにあたらなかったら、おいらのよめさんになってもらうよ」とむすめと約束します…。 

イギリスの民話ということで、ほるぷから出版されています。

グリム童話集に、この話と似たお話があります。

「ルンペルシュティルツヘン(グリムの昔話)」ポール・ガルトン絵 乾侑美子・訳(童話館)1994年7月発行.32p.30×24cm.1350円

貧しい粉屋が王さまと話をすることになり、自分を偉くみせようとつい“自分の娘は、わらをつむいで金にすることができる”と言ってしまいます。王さまは、わらでいっぱいになった部屋へ娘をつれていき、「このわらをぜんぶ紡いで金にしてしまわなけれは、おまえの命はないぞ」と言い渡します。そんなやりかたなど、これっぽっちも知らない娘は、泣き出してしまいます。

するとそこへ小人が入ってきて言いました「なにをくれる?おれがかわりにわらを金につむいでやったら」。かわりにやってもらうたびに小人からなにかを要求される娘は、お妃になって一番はじめにうむ子どもを小人に渡すことを約束させられます。

やがて王さまと結婚し、赤ちゃんをうんだお妃の前に小人があらわれました。赤ちゃんを渡すのを拒んだお妃に、小人は「三日間の間でおれの名前をあてられたら、子どもは渡さなくていい」と言いわたします…。

上記の「トム・ティット・トッド!」も「ルンペルシュティルツヘン」も、小鬼や小人が自分の名前を織り込んだ歌を歌っていた話を、お妃が耳にしたことで名前が知られてしまいます。それにしても“ルンペルシュティルツヘン”とは、なんとも読みにくい名前ですね。

スウェーデンの昔話の中にも同じような話があるんですね。

スウェーデンの森の昔話 Book スウェーデンの森の昔話

販売元:ラトルズ
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「スウェーデンの森の昔話」アンナ・クララ・ティードホルム編・絵 うらたあつこ訳(ラトルズ)

スウェーデンに古くから伝わる昔話が、12編おさめられた本。この中の「ティッテリチューレ」というお話が、名前をあてるお話になっています。

なまけ者の娘が、こうすればいやでも仕事をするだろうと、屋根の上の糸車の前に座らされていました。そこへ通りかかった王さまから、“あの娘は何をしているのだ”と聞かれたおかみさんは、“屋根の上でひとりになって、粘土と麦わらから金の糸を紡ぎだすのです”と出まかせを言います。

その話を聞いて、城に連れて行かれた娘は、王さまから金の糸を紡いでおくようにと命じられます。途方にくれて泣き出した娘の前に、みにくい小人が現れ、助けるかわりに3日の間にわしの名前を言い当てられなかったら、わしの嫁になるのだぞと言い渡します。

小人の名前がわからず、ふさぎこんでいる娘を心配した王さまは、森の中で出会ったおかしな小人の話をします。小人が歌っていたという歌を聞いた娘は、小人の名前がわかったのです…。

国土の半分が森林だというスウェーデン。昔話も、森を舞台にしたもの、森と関わりのあるお話が多いですね。さまざまな味わいの昔話が集められています。

「三びきのやぎのがらがらどん」も北欧民話ですが、この本の中にもトロルが登場します。

日本の昔話では、「だいくとおにろく」が名前を当てるお話ですよね。

だいくとおにろく (こどものとも傑作集 (36)) Book だいくとおにろく (こどものとも傑作集 (36))

著者:松居 直,赤羽 末吉
販売元:福音館書店
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「だいくとおにろく」松井直・再話 赤羽末吉・絵(福音館書店)1962年6月発行.28p.20×27㎝.743円

むかし、あるところにとても流れのはやい大きな川がありました。あんまり流れがはやいので、何度橋をかけてもたちまち流されてしまいます。困り果てた村の人たちは、このあたりで一番名高い大工に頼んで橋をかけてもらうことにしました。

引き受けてはみたものの、心配になった大工が橋をかける場所に行ってみると、川の中から大きなおにがあらわれます。おには大工に「おまえの目玉をよこしたら、おれがおまえに代わって橋をかけてやってもええぞ」と言い、2日間でりっぱに出来上がります。

「さあ、目玉をよこせ」と言われ逃げ出した大工。おには「そんならおれの名前を当てればゆるしてやる」と約束しました…。

こちらも大工が、おにの名前を織り込んだこもりうたを耳にしたことで名前が判明するお話です。

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「ヤンメイズとりゅう」中国の昔話

むかしむかし、シャオホンメイという女の子が、山の奥でおかあさんと二人で暮らしていました。ある日シャオホンメイは、おそろしいりゅうにさらわれてしまいます。“わたしを助け出せるのは、弟だけよ”という叫び声を残して。

“うちには、娘ひとりしかいないのに”と悲しみにくれるおかあさんは、その帰り道ひとつだけなっていたやまももの実を食べます。すると幾日かたつとおかあさんは、やまもものようなまるまるとしたあかい顔の男の子をうみました。おかあさんは、その子に“やまももの子”という意味のヤンメイズという名をつけます。

みるみる大きくなったヤンメイズは、ねえさんを助けるために旅立ちます。途中、大きな岩の下にあった金の笙を見つけ、リュウ退治へと向かいます…。

リュウ退治のお話。

絵が素晴らしいです!はじまりの墨絵で描かれた山々の風景から、ふっと物語の中へと誘われていきました。筆による力強い線。ヤンメイズのかわいらしい容姿。すっかり譚小勇(たん しゃおよん)さんの絵に魅了されました。譚小勇さんは92年来日、98年に日本国籍に移籍して、現在日本在住とか。

この本は、現在絶版となっています。図書館本で読みました。ぜひ復刊して下さい!!

「ヤンメイズとりゅう」松居直・関野喜久子・再話 譚小勇・絵(福音館書店)1994年6月発行.40p.26×27㎝.1250円

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「いちばんたいせつなもの」バルカンの昔話

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販売元:福音館書店
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「いちばんたいせつなもの」(バルカンの昔話)八百板洋子編・訳 ルディ・スコチル画(福音館書店)2007年3月発行.296p.1500円

バルカン半島にある、ブルガリア・ルーマニア・スロベニア・クロアチア・セルビア・アルバニア・マケドニア・トルコ・ギリシアの昔話、29編をあつめて編んだものです。

あとがきによると、このあたりはオリエントとヨーロッパの文化が混じり合い、長いあいだ異民族に支配されるという歴史をもつ地域だということ。そして、そうした時代に人々は昔話を語り伝えながら、民族のことばとかつての自分たちの文化の誇りを守っていたということです。

興味深かったのは、吸血鬼の話がいくつか入っていたことと、シンデレラや金のおの銀のおの話に似たお話があったことですね。(ドラキュラ公はルーマニアの人物で、シンデレラはドイツのグリム兄弟によるもの、金のおの銀のおのはイソップでしたよね)

マケドニアの「灰かぶりのマーラー」では、最後二人はお城で幸せに暮らしましためでたしめでたしではなく、灰かぶりの娘との結婚を反対された王子が王位もお城も捨てて一緒になりますし、トルコの「きこりとテーブル」では、泉の中から出てきたおじいさんが持っていたのは、金や銀のおのではなくなんとびっくりテーブルでした。そんなお国による昔話の違いをおもしろく読みました。

スロベニアの画家だというルディ・スコチル氏の挿絵が、昔話の雰囲気とぴったりとマッチしています。

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「チワンのにしき」中国民話

チワンのにしき―中国民話 Book チワンのにしき―中国民話

著者:君島 久子,赤羽 末吉
販売元:ポプラ社
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「チワンのにしき」君島久子文 赤羽末吉絵(ポプラ社)1977年7月発行.32p.27㎝.1200円

むかしむかし、チワンの村に美しいにしきを織るおばばがおりました。おばばは、町へ行った時に見つけた、見事な山里の絵をにしきに織ることにします。毎日毎日織りつづけて、三年目にやっとにしきが出来上がりました。

ところが、あやしい風が吹いてきて、あっという間にそのにしきをさらっていってしまいました。ロモ、ロテオ、ロロの三人の息子たちが、にしきをさがしに出かけますが…。

中国南西部に住むチワン族のあいだに語り伝えられたお話です。30年前に出版された絵本ですが、このお話、昔、教科書に載ってましたよね。ロロが、石の馬とともに火の山、こおりのうみを越えていく場面と、取り戻したにしきをひろげると村いっぱいに広がっていく場面が印象に残っています。

小学校中学年くらいから。

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「いぬとねこ」韓国の昔話

いぬとねこ―韓国のむかしばなし Book いぬとねこ―韓国のむかしばなし

著者:ソ ジョンオ,シン ミンジェ,おおたけ きよみ
販売元:光村教育図書
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「いぬとねこ」ソ・ジョンオ再話 シン・ミンジェ絵 おおたけきよみ訳(光村教育図書)2007年7月発行.28p.27×27㎝.1600円

韓国の昔話。コラージュ絵本です。

むかしむかし、いぬとねこと暮らしているおばあさんがいました。ある日おばあさんは、漁師にとらえられて泣いていたすっぽんを逃がしてやりました。助けたすっぽんは竜王の息子で、あくる日いっしょにりゅうぐうに行きましょうとおばあさんを迎えにきます。おばあさんはりゅうぐうで楽しく暮らし、帰る日にみやげとして、竜王から魔法の玉をもらいました。

魔法の玉のおかげで豊かになったおばあさんのうわさが、川向こうに住む欲張りばあさんの耳にも入りました。そして、ある晩よくばりばあさんがやってきて、にせものの玉とすりかえてしまいました。

おばあさんが飼っているいぬとねこは、魔法の玉をとりかえしに、よくばりばあさんの家へと向かいました…。

まるで「うらしまたろう」だなぁと思って読んでいると、そこからまた新たなお話が展開していきます…。うらやんだ欲張りばあさんに大事なものを奪われてしまうというのも、日本の昔話に似たお話がありますよね。

韓国語では、犬の鳴き声は“モンモン”、ねこの鳴き声は“ヤオン”と表すそうです。(言われてみれば、そう聞こえなくもないです…)

ねこは家の中で、犬は外で飼われるようになったことの由来のお話でもあるそうです。

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「さんねん峠」朝鮮の昔話

さんねん峠―朝鮮のむかしばなし (新・創作絵本 21) Book さんねん峠―朝鮮のむかしばなし (新・創作絵本 21)

著者:李 錦玉
販売元:岩崎書店
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「さんねん峠」李錦玉・作 朴民宜・絵(岩崎書店)1981年2月発行.28p.1200円

朝鮮の昔話。

さんねん峠には、むかしからこんな言い伝えがありました。

「さんねん峠で ころぶでないぞ さんねん峠で ころんだならば 三年きりしか生きられぬ」。

ところが、ある秋の日、さんねん峠を越えていたおじいさんが、石につまづいてころんでしまいます。

その日からおじいさんはふとんにもぐりこみ、ものも食べずに病気になってしまいました。

そんなある日、見舞いに来たすいしゃやのトルトリが、おじいさんの病気を直すための方法を提案します…。

なるほど!そうきたかと思う解決策!言葉がとてもリズミカルで、調子よく読めます。小学生くらいから読めるかな。友人は、老人施設での読み聞かせで、この本を読んだそうです。

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