「イグアノドンとちいさなともだち」V.ベレストフ・詩 松谷さやか・訳 小野かおる・絵(小学館)2008年3月発行.32p.23×29㎝.1600円
ロシアの詩人V.ベレストフの詩を、絵本にしたもの。
人間が現れる前のはるか昔の地球。
そこでくらしていた恐竜イグアノドンの前にあらわれたのは、翼竜のプテロダクチルス。巨大なイグアノドンからみると、プテロダクチルスは小鳥のような小ささだったが、ふたりは仲良しになった。
プテロダクチルスは、姿は小鳥のようだったが、しゃがれたうなり声をあげるだけで、他の歌い方は知らなかった。けれでもイグアノドンは、その声を聞くとうれしくて、心ときめかせた。
なぞならそれが、この世ではじめての歌だったから…。
小野かおるさんの描くイグアノドンの表情が、すごくいいんです。イグアノドンが、プテロダクチルスを大事そうに愛おしく見つめる姿が、なんとも微笑ましい。幸せそうな顔をしています。
地球で初めて歌われた歌は、太古の昔から長い長い年月を経て、今、おかあさんが赤ちゃんに歌っている子守歌につながっています。そしてその姿を、うれしそうにこっそりと窓からのぞいているのは、なんとイグアノドンとプテロダクチルス!
太古の昔からつながってきたいのちを感じさせる絵本です。
同じV.ベレストフの詩を絵本にしたものとしては、こちらの方が有名かな。
「だくちるだくちる-はじめてのうた-」V.ベレストフ・原案 阪田寛夫・文 長新太・絵(福音館書店)1993年11月発行.32p.31×23㎝.1300円
…イグアノドンは うれしかった
だるくちを きくと うれしかった
うれしくて うれしくて どんどんうれしくて
もう どんどん ばんばん うれしかった
だって それは
はじめての うただったから
イグアノドンが ちいさな ともだちに あったとき
そのとき はじめて ちきゅうに うまれた
いちばん はじめの うただったから
プテロダクチルスの鳴き声を、“だくちる だくちるる”という言葉で表現した詩人の阪田さんと、ダイナミックな色使いの長新太さんの絵。
火を噴く火山、イグアノドンの大きな足音、プテロダクチルスがうなる“だくちる だくちるる”という鳴き声…。絵本の中からいろんな音が聞こえてくるような気がしました。
ともだちができた嬉しさ、喜びにあふれている絵本です。