いのちを考える絵本

絵本「なきすぎてはいけない」

「なきすぎてはいけない」内田麟太郎・作 たかすかずみ・絵(岩崎書店)2009年5月発行.1300円

なくなったものは だれも

いきているものの しあわせをいのっている

ただそれだけを

だから ないてもいいけど なきすぎてはいけない

わたしが いなくなっても

わたしが すきだったのは

わらっている おまえだったのだから

亡くなったおじいちゃんが、その死を悲しむ孫に贈るメッセージ。

亡くなっても生きているものの幸せをずっと願っている、これからも空の上から見守り続けるよというおじいちゃんの愛情が感じられます。

大切な人を亡くした心にぐっとくる…、そして背中を押してくれるような、詩的な絵本です。

絵は「きつねのでんわボックス」を描かれた、たかすかずみさん。紗が掛かったような淡い絵が、孫との楽しい思い出に思いをはせるおじいちゃんの心情にぴったりだと思いました。

 なきすぎてはいけない なきすぎてはいけない
販売元:セブンアンドワイ
セブンアンドワイで詳細を確認する

| | コメント (0)

絵本「イグアノドンとちいさなともだち」

「イグアノドンとちいさなともだち」V.ベレストフ・詩 松谷さやか・訳 小野かおる・絵(小学館)2008年3月発行.32p.23×29㎝.1600円

ロシアの詩人V.ベレストフの詩を、絵本にしたもの。

人間が現れる前のはるか昔の地球。

そこでくらしていた恐竜イグアノドンの前にあらわれたのは、翼竜のプテロダクチルス。巨大なイグアノドンからみると、プテロダクチルスは小鳥のような小ささだったが、ふたりは仲良しになった。

プテロダクチルスは、姿は小鳥のようだったが、しゃがれたうなり声をあげるだけで、他の歌い方は知らなかった。けれでもイグアノドンは、その声を聞くとうれしくて、心ときめかせた。

なぞならそれが、この世ではじめての歌だったから…。

小野かおるさんの描くイグアノドンの表情が、すごくいいんです。イグアノドンが、プテロダクチルスを大事そうに愛おしく見つめる姿が、なんとも微笑ましい。幸せそうな顔をしています。

地球で初めて歌われた歌は、太古の昔から長い長い年月を経て、今、おかあさんが赤ちゃんに歌っている子守歌につながっています。そしてその姿を、うれしそうにこっそりと窓からのぞいているのは、なんとイグアノドンとプテロダクチルス!

太古の昔からつながってきたいのちを感じさせる絵本です。

イグアノドンとちいさなともだち イグアノドンとちいさなともだち

著者:小野 かおる
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

同じV.ベレストフの詩を絵本にしたものとしては、こちらの方が有名かな。

「だくちるだくちる-はじめてのうた-」V.ベレストフ・原案 阪田寛夫・文 長新太・絵(福音館書店)1993年11月発行.32p.31×23㎝.1300円

…イグアノドンは うれしかった

だるくちを きくと うれしかった

うれしくて うれしくて どんどんうれしくて

もう どんどん ばんばん うれしかった

だって それは

はじめての うただったから

イグアノドンが ちいさな ともだちに あったとき

そのとき はじめて ちきゅうに うまれた

いちばん はじめの うただったから

プテロダクチルスの鳴き声を、“だくちる だくちるる”という言葉で表現した詩人の阪田さんと、ダイナミックな色使いの長新太さんの絵。

火を噴く火山、イグアノドンの大きな足音、プテロダクチルスがうなる“だくちる だくちるる”という鳴き声…。絵本の中からいろんな音が聞こえてくるような気がしました。

ともだちができた嬉しさ、喜びにあふれている絵本です。

51cdz5hbvrl__sl160_aa115_

| | コメント (0)

「あやちゃんのうまれたひ」

あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集) Book あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集)

著者:浜田 桂子
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「あやちゃんのうまれたひ」浜田桂子・作・絵(福音館書店)1999年1月発行.32p.27×21㎝.800円

この表紙の絵が、とっても好きなんです。やさしい眼差しであやちゃんを見ているおかあさんと、そのおかあさんをじーっと見つめる赤ちゃんの頃のあやちゃん。1枚の絵から、愛情と信頼が伝わってきます。

あやちゃんは、カレンダーに丸をつけて、もうじきやってくる6歳の誕生日を楽しみにしています。「うまれたとき、ちっちゃかった?」「かわいかった?」と尋ねるあやちゃんに、おかあさんはあやちゃんがうまれた時のお話を始めます…。

おとうさん、おかあさんはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんも、赤ちゃんがうまれてくるのを、どんなに待ちわびていたことか。そして、うまれてきてどんなに喜んだことかと…。ついつい自分自身の経験と重ねて読んでしまい、胸があつくなりました。

一人一人、うまれた時の物語があります。この絵本を読んで、自分の時はどうだったんだろう?と思う子どもたちに、ぜひうまれた日のことを話してあげて下さい。

ぼくがあかちゃんだったとき (教育画劇 みんなのえほん) Book ぼくがあかちゃんだったとき (教育画劇 みんなのえほん)

著者:浜田 桂子
販売元:教育画劇
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ぼくがあかちゃんだったとき」浜田桂子・作・絵(教育画劇)2005年5月発行.32p.25×21㎝.1200円

今日は、“ぼく”の6歳の誕生日。お父さんが、“ぼくがあかちゃんだったとき”の話をしてくれたよ…。

ぼくがうまれた日のこと。初めて笑った日。熱を出した日。ハイハイをした日。初めて歩いた日…。

なんでも口に入れたり、ティッシュを箱から全部引っ張り出したり、引出しを開けていろんなものを出しちゃったり…。そうそう、うちの子も同じだったな~なんて、なつかしく思い出しながら読みました。

そして、絵本の中のこのお父さん、「洗濯 洗濯、どんとまかせとけ」と、なんともうらやましいくらい素敵なんです。

そしてこんなに大きくなった!君を見ると元気が出る。君がいるとうれしい。うまれてきてくれてありがとう。これからもよろしくな!

お父さんのこの言葉に、グッときました。

| | コメント (0)

絵本「ちいさなあなたへ」

 ちいさなあなたへ ちいさなあなたへ
販売元:セブンアンドワイ
セブンアンドワイで詳細を確認する

大人のための絵本ですね。何度読んでも泣けてしまいます。

娘の成長を見守ってきた母親の気持ち、親の手を離れて旅立っていく時の寂しさ、そして最後は年老いた母がどんな思いで自分を育ててくれていたかが、ストレートに伝わってきました。

母親の深い愛情を感じさせる1冊です。この思いは親から子へとずっとつながってきたものなんですね。娘が家を離れる時に手渡したいなと思いました。

「ちいさなあなたへ」アリスン・マギー文 ピーター・レイノルズ絵 なかがわちひろ訳(主婦の友社)

| | コメント (0)

酒井駒子「くまとやまねこ」

酒井駒子さんの新作絵本。 切なくやさしい物語です。

くまとやまねこ Book くまとやまねこ

著者:湯本 香樹実,酒井 駒子
販売元:河出書房新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

くまは、なかよしのことりが死んで、とても悲しんでいました。自分で小さな箱を作り花びらを敷き詰めて、ことりをそっと箱の中に入れました。そして、どこへいくにも、その箱を持っていきました。森のどうぶつたちはだれもが、「ことりはもうかえってこないんだ。つらいだろうけど、わすれなくっちゃ。」と言います。誰ともその悲しみを分かち合えないくまは、家に鍵をかけて閉じこもってしまいました。

それから幾日かたったある日。くまはとてもいいお天気なことに気がついて、しばらくぶりに外に出ます。そして、やまねこに出会いました。くまが持っていた箱を見たやまねこは、「きみはこのことりとほんとうに仲がよかったんだね。ことりが死んでずいぶんさびしい思いをしてるんだろうね」といいます。

やまねこは、自分の箱からバイオリンを取り出して、きみとことりのためにと一曲演奏してくれました。くまは、やまねこが奏でる音楽を聞きながら、ことりと過ごした日々を思い出します。“自分はずっとことりと友だちなんだと”納得できたくまは、いつも一緒にひなたぼっこをした場所に埋めてあげることにしました。

そしてくまは、やまねこが持っている古いタンバリンをみて、やまねこにもずっといっしょだった友だちがいたんだと思うのです…。

大切な人との別れは、だれの身にも訪れます。くまは悲しみは消えることはないけれど、大切な人との思い出が自分の中にたくさん残っていること、同じ思いを抱えている人がいるんだということに気がつくのです。

ことりとの楽しい思い出を思い出していくと、モノクロの絵の中にピンクが色づいていきます。同じモノクロで描かれていても、やまねこと出会った後のくまの絵には、光が感じられような気がしました。

やまねこのバイオリンを聞いているくま…の場面が好きです。音楽がもたらす力を再認識しました。そして、やまねこがもっているタンバリンには、くまとことりと同じような物語があるんだろうなぁと思わせてくれます。

「くまとやまねこ」湯本香樹実・文 酒井駒子・絵(河出書房新社)2008年4月発行.1300円

| | コメント (0)

絵本「あなたがうまれたひ」

あなたがうまれたひ」デブラ・フレイジャー作 井上荒野・訳(福音館書店)1999年11月発行.32p.22×29㎝.1300円

あなたがうまれてくることを、地球上の誰もが待っていた。あなたがうまれた日、あなたがうまれてきたことを、地球上の誰もが歓迎し祝福した。「あなたがうまれて とってもうれしい!」…。

知人が、先日ラジオでこの絵本が朗読されていたのを聞いて、とても感動したと話してくれました。

私たちは誰もが祝福されて生まれてきた存在なんだと、改めて認識させられます。そして、私たちは地球という大きな自然の営みの中で生きていることも…。

淡々と語られているのに、読んでいるうちにグッときます。子どもたちには、ゆっくりとかみしめて読んであげたいです。小学校中学年くらいから。

| | コメント (0)

絵本「いのちのまつり」

いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」 Book いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

著者:平安座 資尚,草場 一寿
販売元:サンマーク出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

はじめて沖縄の島にやってきたコウちゃん。「ぼうやにいのちをくれた人は誰ね~?」と尋ねたオバアは、ずっとずっとつながってきたいのちと、これからもつながっていくいのちの尊さを、コウちゃんに教えてくれます…。

自分が今いるのは、いのちをくれたたくさんのご先祖さまがいたから。いのちはずーっとつながって自分が生まれたこと。それは誰一人として欠けては存在しなかったこと。そして、そのいのちは未来へとつながっていくこと…が、沖縄のオバアの柔らかい語り口で語られます。

見開きいっぱいに描かれた、数え切れないほどのご先祖さまは圧巻です。自分のいのちってすごいんだ!と素直に思えます。

「いのちのまつり」草場一壽 平安座資尚・絵(サンマーク出版)2004年10月発行.27p.1500円

| | コメント (0)

絵本「いのちのおはなし」

いのちのおはなし Book いのちのおはなし

著者:日野原 重明
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「いのちのおはなし」日野原重明・文 村上康成・絵(講談社)2007年1月発行.1300円

95歳の聖路加病院名誉院長(ベストセラー「生き方上手」の著者と言った方がなじみがあるでしょうか)日野原先生が小学校で10歳の子どもたちに向けて行なった“いのちについて”の授業を絵本化したものです。

いのちは、どこにあると思いますか?友達同士で心臓の音を聞いて、生きている証拠を確かめてみよう…。

時間をつかうことは いのちをつかうことです。

これから生きていく時間。

これから先の、君たちがつかえる時間。

それが、きみたちのいのちなんですよ。

村上康成さんが描く日野原先生は、かわいらしく、とてもよく似ています。

| | コメント (0)

絵本「おへそのあな」

おへそのあな Book おへそのあな

著者:長谷川 義史
販売元:BL出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「おへそのあな」長谷川義史(BL出版)2006年9月発行.32p.26×21㎝.1362円

おかあさんのおなかの中にいる赤ちゃんが、おへそのあなから、自分を待ちわびる家族の様子をのぞいています…。

生まれてくる命についての絵本はたくさん出販されていますが、おなかの中にいる赤ちゃんの側から見てみたという、これまでと違った視点で描かれたところがミソ。それを思いついたところで、もうこの本のヒットが決まった!という気がします。

この絵本のように、おとうさんもおかあさんも、おにいちゃんもおねえちゃんも、あなたの誕生を、ホントに楽しみにしてたんだよと言って、読んであげたい1冊。3歳ぐらいから。オススメです。

| | コメント (0)