伝記絵本

「ダーウィン」

「ダーウィン」アリス・B・マクギンティ・文 メアリー・アゼアリアン・絵 千葉茂樹・訳(BL出版)2008年8月発行.48p.29×20㎝.1600円

ダーウィン ダーウィン

著者:アリス・B. マクギンティ
販売元:BL出版
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今年2009年、生誕200年を迎えたダーウィンの伝記絵本。

チャールズ・ダーウィンは、幼い頃から、石や貝殻、昆虫などの採集が大好きで、化学に強い興味を持っていた。

父親はチャールズに医者や牧師になる勉強をさせるが、彼にとってはどちらも退屈で、よく授業に顔を出していた植物学のヘンズロー教授から動物学や地質学について教えてもらった。

大学卒業後、ヘンズロー教授から南アメリカを探検し、世界一周して戻ってくる航海に参加しないかという手紙が届く。

チャールズは、反対する父親を叔父の力も借りて説得し航海に参加。1831年英国軍艦ビーグル号に乗り、5年にわたる世界一周旅行に出かけた。

港に着くたびに下船し、その土地の地質学を学び、化石や植物、昆虫や鳥などを採集し、島々を探検した。

そして、チャールズがガラパゴス諸島で集めたさまざまな姿のフィンチという鳥が、後に生物の進化を発見するきっかけとなる。

しかしそれは、神がすべての動植物を今ある姿のままつくったという聖書の教えに反するもの。教会の教えに反する意見を発表すれば、神への冒涜だとみなされ、牢獄に入れられてしまう。自分自身ばかりでなく、家族にも汚名が着せられるかもしれない。

そんな恐れを抱いたチャールズは、何冊もの秘密のノートに自分の考えをまとめ、自分の説を裏付ける実験をし、理論を練り上げていった。

そして、1859年、「種の起源」という本を出版する。

その理論は、当時反論や反発もあったが、科学の世界に新しい考え方をもたらした…。

チャールズ・ダーウィンが、生物の進化を発見し発表に至るまでを、日記や手紙・メモなどを織り込みながら描いていきます。

まずは、ダーウィンのことを、ざっくりと知りたい時にどうぞ。

木版画は、「雪の写真家ベントレー」でコールデコット賞を受賞したメアリー・アゼアリアン。そして、メアリー・アゼアリアンと言えば、翻訳は千葉茂樹さんです。

小学校高学年くらいから。

ダーウィンの伝記絵本と言えばこちらの方が有名でしょうか…。

「生命の樹」ピーター・シス・文・絵 原田勝・訳(徳間書店)2005年6月発行.40p.32㎝.1700円

メアリー・アゼアリアンの「ダーウィン」よりも、もっと細かく詳しく書かれた伝記絵本。

綿密に下調べをして描かれたんだろうなぁと思わせる、素晴らしい絵本です。

膨大な資料を元に、ビーグル号の内部断面図、絵日記風の航海日誌など、情報量たっぷりに73年の生涯を描いていきます。

ストーリーを追う読みものとしてはもちろん、いろんなものが詰め込まれた図鑑風でもあります。

2004年のボローニャ国際児童図書展ノンフィクション大賞受賞作品。大人にもおすすめ。

小学生の調べ学習にも使えそうなのは、こちら…。

「進化の海へ ダーウィン(教科書に出てくる世界の科学者たち)」杉山薫里・文・絵(汐文社)2008年8月発行.47p.2000円

“ダーウィンを知ろう”、“ビーグル号航海記”、“種の起源”と大きく3つに分かれた章の中で、1項目をそれぞれ見開き1ページで簡潔にまとめています。絵がたっぷりで見やすくわかりやすくなっています。

各ページにちょこちょこっと描かれたかわいらしいイラストと手書きのコメントが楽しい。科学が身近に感じられます。

ダーウィンが生まれた頃のイギリスの様子のページもあり。

余談ですが、ダーウィンはイギリスの陶器メーカー、ウエッジ・ウッド社の創設者の孫(母方の祖父)にあたるそうです。

ダーウィンは40年以上ミミズの研究もしていました…。

「ダーウィンのミミズの研究(たくさんのふしぎ傑作集)」新妻昭夫・文 杉田比呂美・絵(福音館書店)2000年6月発行.40p.1300円

ミミズが肥沃土をつくっているのではないかと考えて、ダーウィンが40年にわたって行っていた研究。それを始めるきっかけとは?

そして、ダーウィンがどんな風に観察や実験を行ない、その結果はどんなものだったのかが、わかりやすくまとめられています。

さらに、動物学者である著者は、ダーウィンが研究していたダウン・ハウスの庭を掘ってみたいと現地まで足を運びます。ダーウィンが研究のためにまいた白亜が見つからず、四苦八苦した顛末はいかに??

こちらは、遊べる迷路絵本です…。

「ダーウィンの迷路」アンナ・ニルセン・作 枝廣淳子/枝廣あかり・訳(新風舎)2005年10月発行.1460円

ビーグル号に乗ってイギリスから南アメリカまで、ダーウィンが旅した道のりを迷路で進んで行こう!絵探しもあり。「マルコポーロの迷路」と2冊シリーズです。

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絵本「リンカーンとダグラス」

「リンカーンとダグラス」ニッキ・ジョヴァンニ・文 ブライアン・コリアー・絵 さくまゆみこ・訳(光村教育図書)2009年5月発行.40p.29×23㎝.1700円

ローザ」を描いたコンビの新作絵本です。

1865年3月4日、再選を祝うパーティの席で、リンカーン大統領はフレデリック・ダグラスが到着するのを待っていた。

その当時、黒人のゲストをホワイトハウスに招くのは異例のことだった…。

奴隷として生まれたフレデリック・ダグラスは、逃亡に成功しアメリカに渡った後、奴隷解放運動に尽力した人物。

ダグラスは自分が奴隷だった時のつらい経験から、リンカーンはニューオリンズで奴隷のせり市を目撃したことから、奴隷制度廃止運動の中心人物として活動してきた。

二人が歩んできた道のりと、奴隷制度廃止運動のあらまし。

そして、白人と黒人という立場や人種の違いはあっても、同じ目標を持って培ってきた二人の友情が描かれます。

小学校高学年くらいから。

リンカーンとダグラス リンカーンとダグラス

著者:ニッキ ジョヴァンニ
販売元:光村教育図書
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絵本「ヘンリー・ブラウンの誕生日」

ヘンリー・ブラウンの誕生日 Book ヘンリー・ブラウンの誕生日

著者:エレン レヴァイン
販売元:鈴木出版
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「ヘンリー・ブラウンの誕生日」エレン・レヴァイン作 カディール・ネルソン絵 千葉茂樹・訳(すずき出版)2008年12月発行.39p.29×24㎝.1900円

奴隷として生まれたヘンリー・ブラウン。人としてではなく物として扱われていた彼らは、本人の意思など関係なく、売り買いの対象とされ、家族は引き離される。好きな人ができて結婚しても、妻と子どもたちを勝手に売られてしまう。

二度と家族に会えないという大きな悲しみの中、自由になりたいと願った彼が考えついたこととは…。

箱の中に身をひそめ、自らを小包として、バージニア州リッチモンドからフィラデルフィアまで、27時間かけて送り届け、自由を獲得したヘンリー・ブラウンの伝記絵本です。彼のことは、アメリカやヨーロッパの新聞で大きく取り上げられ、“ヘンリー・ボックス・ブラウン”と呼ばれるようになったと言います。

誕生日を持たない奴隷だったヘンリー・ブラウンは、フィラデルフィアに到着し、自由を勝ち得た1849年3月30日が、彼の誕生日となったのです。

淡々とした語り口と、意思が感じられる迫力ある絵からは、強く伝わってくるものがあります。高学年くらいから。

2008年コルデコット賞オナー賞受賞作品です。

ヘンリー・ブラウンの逃亡を助けたのが、“地下鉄道”と呼ばれた秘密組織。奴隷制を認める南部から、認めない北部へと逃げる奴隷を手助けする組織だったそうです。

この“地下鉄道”を扱った児童文学が、こちら。

「秘密の道をぬけて」ロニー・ショッター作 千葉茂樹・訳(あすなろ書房)2004年11月発行.159p.1300円

南北戦争が始まる11年前-1850年のアメリカを舞台にした物語。

ある夜、物音で目覚めたアマンダは、両親が逃亡奴隷を逃がす手助けをしていたことを知る。アマンダの父親は、逃亡奴隷を逃がすための秘密組織“地下鉄道”の“駅長”をしていたのだ。(“駅長”は、逃亡中の奴隷をかくまい、休む場所を提供。次の“駅”まで送り届ける役割は、“車掌”と呼ばれていた)。

奴隷制は自分には関係ない、どこか遠くで起こっていることと感じていたアマンダだったが、逃亡中のアイザックさん一家の長女ハンナと仲良くなる。そして、追っ手が迫る中、自分も手伝うことを申し出る…。

150ページ余りの短い物語ですが、奴隷のハンナたちがこれまでどんな扱いをされてきたのか、助けているアマンダの両親はどんな危険な立場にいるのか、文字を獲得するということはどんなことを意味するのかが、きちんと伝わってきます。

歴史的な背景については、「おしまいに」と「訳者あとがき」に書かれているので、そちらを先に読んでから物語に入ってもいいでしょう。

見つかって捕まってしまうのではないか…という緊迫感の中で、温かくもてなすアマンダの両親と、アマンダとハンナが育む友情が、読み手をほっとさせます。

中村悦子さんの挿絵が、物語の雰囲気とマッチしていて、とてもいいです。

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「みんなの篤姫」

みんなの篤姫 Book みんなの篤姫

著者:寺尾 美保
販売元:南方新社
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NHK大河ドラマ「篤姫」も、薩摩から江戸城大奥へと舞台を移しましたね。

小中学生が、“もっと篤姫のことを知りたい”とか“調べたい”と思った時に最適なのがこちらの本。中身は一見歴史の教科書風ですが、総ルビでやさしい言葉で語りかけるように書かれています。

著者は、尚古集成館の学芸員さん。尚古集成館とは、鹿児島市にある博物館で、島津家に代々伝わる資料を収蔵展示しているところです。

第十三代将軍家定との結婚のいきさつ、大奥で篤姫が果たしたこと、明治以降の暮らしぶり、鹿児島でのゆかりの場所などが、史料に基づいて語られます。

尚古集成館所蔵他の写真や絵画も豊富に使われ、読みやすくイメージしやすくなっています。

ドラマを見ている大人の方たちにも、ぜひ!

「みんなの篤姫」寺尾美保(南方新社)2008年3月発行.201p.1500円

     ※尚古集成館の公式サイトは、こちらから

     ※「篤姫」観光キャンペーン公式ホームページは、こちらから

     ※2008年NHK大河ドラマ「篤姫」の公式サイトは、こちらから

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絵本「化石をみつけた少女」

化石をみつけた少女―メアリー・アニング物語 (評論社の児童図書館・絵本の部屋) Book 化石をみつけた少女―メアリー・アニング物語 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

著者:キャサリン・ブライトン,せな あいこ
販売元:評論社
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「化石をみつけた少女」キャサリン・ブライトン作 さなあいこ訳(評論社)2001年1月発行.32p.27×21㎝.1300円

のちに化石の専門家として、2体の完全なプレシオサウルス、イギリスではじめてみつかったプテロダクティルスなどを発見したイギリスの女性、メアリー・アニングの少女時代を絵本にしたものです。

1810年、イギリスの小さな港町に住むメアリー・アニングは、家計を助けるため、弟と一緒に“ほりだしもの”をさがしに、海辺を散策していました。

ある日、メアリーは、海辺の崖で、岩に埋もれた大きな化石を見つけます。メアリーは、足場を組んでもらい、ハンマーでそれを掘り出しました。

そしてそれが、何百万年のむかしに海にすんでいたイクチオサウルスという海生爬虫類の化石だとわかります…。

この発見は、何百万年の昔に生きものがいたという証明にもなり、科学の歴史にとって重要なものであったとともに、彼女のその後進む道のターニングポイントにもなったのです。

ちなみに、ダーウィンが「種の起源」を出版したのは、メアリーが亡くなって12年後だったということです。

こちらは、大人向けの伝記になります。

「メアリー・アニングの冒険」吉川惣司・矢島道子(朝日新聞社)2003年11月発行.339p.1400円

19世紀初頭、イギリス南西部のライム・リージス。メアリー・アニングは、父の死後、困窮した家族のために、父のあとを継ぎ、化石を発掘・販売して家計を助けた。メアリーは生涯独身で、貧しく、ライムを離れることなく過ごしたという。

彼女は、毎日海岸を歩きまわり、危険な崖に登り、ものすごいペースで化石を発掘していく。無学だった彼女が、独学で化石に精通し、研究者や裕福な収集家、博物館と渡りあいながら売っていきます。

乳児の時、落雷に打たれながら、ただ一人生還したというエピソード。1812年、13歳の時にメアリーが見つけ出した「イクチオサウルス」は、実は“世界初”という称号が、剥奪されていたこと。

彼女は、誰に対してもへつらうことなく、時には男性研究者たちへの辛辣な言及もあったという。

…など、メアリーが残した数少ない手紙やメモ、知人や周囲の人たちの日記や記録などの資料を織り込みながら、彼女の人物像を明らかにしていきます。

当時の地質学の背景、メアリーと関わった隣人や地質学関係者、階級社会で男性優位だった時代における女性観など、いろんな切り口でもおもしろく読めます。

ちなみに、メリル・ストリープ主演の映画「フランス軍中尉の女」は、メアリーをモデルにしているとか。

メアリーが「イクチオサウルス」を発見した年や、弟ではなく兄がいたことなど、絵本「化石をみつけた少女」と若干異なっている部分がありました。

「メアリー・アニングの冒険」の中でも、ウォーターハウス・ホーキンズのことについて、ちらりと触れられています。

「ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜」バーバラ・ケアリー文 ブライアン・セルズニック絵 千葉茂樹・訳(光村教育図書)2003年2月発行.50p.31×24㎝.1900円

1853年 ロンドン。恐竜がどのようなものだったか、まだ誰も知らなかった時代。小さな化石の欠片から、実物大の恐竜の模型を作り上げたという、ウォーターハウス・ホーキンズの伝記絵本。

ウォーターハウスは、科学者ではなく、芸術家。当時、一流の比較解剖学者だったリチャード・オーウェンの指導を受けながら、石とワイヤー、粘土とセメントと使って、巨大な模型をつくる大仕事をこなしていった。

ロンドン郊外、シドナムの水晶宮でのお披露目のディナー・パーティでの人々の興奮。アメリカに渡った時に受けた妨害事件などのエピソードを織り交ぜながら、彼の功績を描いていきます。

今では、ウォーターハウスが作った模型の多くが、正確ではなかったということがわかっていますが、今でもシドナムの水晶宮公園の中にあるということです(一般公開はされていないようですが…)。

2002年コルデコット賞オナー受賞作品。小学生中学年くらいから。

(※ ちなみに、「恐竜」という言葉は、上記のリチャード・オーウェンによって1942年に命名されたもの。「メア    リーアニングの冒険」によると、オーウェンは1939年にライムのメアリーを訪ねているとか。)

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絵本「やまとゆきはら」

南極観測船「しらせ」が退役することになり、現在南極の昭和基地から日本に向けての最後の航海中なんだそうですね。昭和基地には25年間通ったそうです。本当にお疲れ様でした…。

やまとゆきはら―白瀬南極探検隊 (日本傑作絵本シリーズ) Book やまとゆきはら―白瀬南極探検隊 (日本傑作絵本シリーズ)

著者:関屋 敏隆
販売元:福音館書店
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「やまとゆきはら 白瀬南極探検隊」関屋敏隆(福音館書店)2002年10月発行.2200円

1912年(明治時代)白瀬を隊長とし、犬ぞりで南極点をめざした探検隊の足どりをたどったノンフクション絵本。日本人として初めて南極の地を踏んだ白瀬の伝記絵本ともいえるかな。南極観測船「しらせ」は、この白瀬中尉の名前から名づけられたようですね。

エンデュアランス号大漂流 Book エンデュアランス号大漂流

著者:エリザベス・コーディー キメル
販売元:あすなろ書房
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「エンデュアランス号大漂流」エリザベス・コーディーキメル著 千葉茂樹・訳(あすなろ書房)

1914年。第一次世界大戦が始まり、南極大陸がまだまだ未知の世界であった頃…。シャクルトン率いる28人の探検隊が、「エンデュアランス(=不屈の精神)」という名を持つ船に乗って、南極大陸横断の旅に出発する。

しかし、巨大な流氷帯に行く手をはばまれ、南極大陸に上陸すらできないまま、氷の中に閉じ込められ動けなくなってしまう。その後、船は押しつぶされて沈没。現代のような装備もない。無線も届かず、救助の見込みも全くない。それからが、生還に向けての長い長い旅のはじまりだった…。

淡々と語られていますが、まるで記録映画を見ているように映像が浮かんできました。

彼らの強靭な精神力と体力に感嘆し、圧倒されっぱなし。途中幾度となく絶望感に襲われたことだろうと、想像するに足りない。けれど、そんな極限状態の中でも、暗さは感じられません。むしろ明るさや希望さえ感じるのです。

常に先を読み、船員たちのために心を砕き、素早い判断を下す…。そんなシャクルトンのリーダーとしての力量と、船員それぞれが自分が果たさなければならない役割を把握し、知恵を出し合い、それを実行する。そして、天が味方をしてくれる出来事も重なり、奇跡を起こしていきます。読みながら、人間の偉大なる力をひしひしと感じました。

この旅を記録するために同行した専属写真家が撮り続けた写真もふんだんに使われ、貴重な経験を映像からも語ってくれます。ラスト、近づく救助ボートに手を振るモノクロの写真には、グッっときました。今はもう星になってしまった彼らに、心から大きな拍手を贈りたいと思います。

南極のコレクション (ふしぎコレクション) Book 南極のコレクション (ふしぎコレクション)

著者:武田 剛
販売元:フレーベル館
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「南極のコレクション」武田剛8フレーベル館)2006年6月発行.1600円

2003年5月から1年4か月、南極観測隊に同行した新聞カメラマンの記録。南極ってどんなところ?と聞かれたら、まずはこの本を手渡したい。壮大な自然とそこに息づく動物、隊員の暮らしぶりを、豊富な写真で伝えます。

ぼくの南極生活500日―ある新聞カメラマンの南極体験記 Book ぼくの南極生活500日―ある新聞カメラマンの南極体験記

著者:武田 剛
販売元:フレーベル館
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「ぼくの南極生活500日」武田剛(フレーベル館)2006年8月発行.120p.1600円

同じ著者が写真メインの上記の本とは別に、より詳しい読み物版として出版したもの。

到着早々、総出で建設された衛星通信アンテナ。このアンテナでインターネットと携帯電話が使用できるようになったことや、放置された古い雪上車などのゴミ問題、南極にも地球温暖化の波が押し寄せていることなど、過去の観測隊の業績と苦労を織り交ぜながら、南極の「今」を伝えます。

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絵本「俊寛」

俊寛 (日本の物語絵本) Book 俊寛 (日本の物語絵本)

著者:司 修,松谷 みよ子
販売元:ポプラ社
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「俊寛」松谷みよ子・文 司修・絵(ポプラ社)2006年6月発行.42p.25×26㎝.1200円

「平家物語」の中に登場する、流人となった僧俊寛のエピソードを絵本にしたもの。俊寛は実在した人物で、後白河法皇の側近で法勝寺の執行を務めていましたが、1177年俊寛の山荘で平家打倒を謀議したという「鹿ヶ谷事件」で流罪にされてしまいます。

俊寛は、時の大臣・平清盛に謀反を企てた罪で、あれはてた島-薩摩の国・鬼界が島に流されます。やがて、島に流された三人のうち二人は許されて都に戻りますが、俊寛一人が島に残されてしまいます…。清盛からの帰京を指示するゆるし文には、自分の名だけがない。なぜないのか。なぜわしひとり、ゆるしがないのか。役人にすがりつき、許しを得た二人を乗せた船にかけ寄るが船はでていった。「まて、まってくれ」俊寛は腰まで水につかり、なきさけぶ。

そこには、心たけきひととうたわれた、都での位高きころの俊寛のおもかげはなかった。

俊寛は小高きところにかけあがり、のびあがりのびあがり、まるでおさない子のように、足をふみならし、「のせていけ、のせていけ」となきさけんだが、船はしだいに小さくなっていった…。

消えていく船に向かって、ただ一人島にとり残された俊寛の泣き叫ぶ声が響く。その孤独と絶望は、想像を絶します。

幼い頃から俊寛に仕えてきた家来の有王が、一人鬼界が島まで訪ねてきて、食べるものもなくやせ衰え変わり果てた姿の俊寛と再会します。有王から俊寛が捕らえられてから、妻や身内のものをとらえて殺されたことを聞き、生きる力を失い、自害する覚悟で餓死。まだ37歳の若さだったそうです。

平家物語の「俊寛」からは、後世、謡曲の「俊寛」、近松門左衛門の浄瑠璃「平家女護島」や曲亭馬琴の読本「俊寛僧都嶋物語」が生まれ、歌舞伎の演目にもなっています。

実際に俊寛が流された島については、鹿児島県の硫黄島、同じく鹿児島県の喜界島、長崎県の伊王島などいくつかの説があり、現在でもわかっていないそうです。

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ビアトリクス・ポター

もうすぐ映画「ミス・ポター」が公開されますが、ビアリクス・ポター、ピーターラビットの関連本は、たくさん出版されていますね。

                ※映画「ミス・ポター」の公式サイトは、こちらから

「ピーターラビット」の丘から―ビアトリクス・ポター (名作を生んだ作家の伝記) Book 「ピーターラビット」の丘から―ビアトリクス・ポター (名作を生んだ作家の伝記)

著者:スピーカー・ユアン マーガレット
販売元:文溪堂
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子ども向け(小学校5.6年生くらいから)に書かれた、“名作を生んだ作家の伝記”シリーズの中の1冊。

ビアトリクス・ポターのおはなし Book ビアトリクス・ポターのおはなし

著者:ジャネット ウィンター
販売元:晶文社
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小さいサイズの伝記絵本です。裕福な家庭に生まれながら孤独な少女時代を送ったポターの生涯が、淡々と綴られています。

ピーターラビットの野帳(フィールドノート) Book ピーターラビットの野帳(フィールドノート)

著者:ビアトリクス ポター,アイリーン ジェイ,アン・スチーブンソン ホッブス,メアリー ノーブル
販売元:福音館書店
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「ピーターラビットの野帳(フィールドノート)」ビアトリクス・ポター絵 アイリーン・ジェイ メアリー・ノーブル アン・スチーブンソン・ホップス文 塩野米松訳(福音館書店)1999年11月発行.200p.31×20cm.5700円

この本をパラパラとめくってみると…、細密に描かれたたくさんのきのこ画に驚かされます。ビアトリクス・ポターが、アーミネットライブラリーに寄贈した博物画のコレクションの一部なんだそうです。描かれたのは、「ピーターラビット」が出版される前。当時女性はアマチュアとしてしか科学を研究できないという、女性への差別が根強くあった時代のことでした。

オールカラーでうっとりするほど美しい本に仕上がっています。値段が高めなので、図書館などでぜひ見てみて下さい。

最後に、本ではないのですが、大貫妙子さんが歌っていた「ピーターラビットとわたし」いう曲の、♪~ピーター・ラビットは わたしの隣に住んでいる 心わくわく いたずらがだいすき~♪というメロディが好きで、今でも時折口ずさむことがあります。

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絵本「ローザ」

ローザ Book ローザ

著者:ニッキ・ジョヴァンニ
販売元:光村教育図書
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「ローザ」ニッキ・ジョヴァンニ文 グライアン・コリアー絵 さくまゆみこ訳(光村教育図書)2007年5月発行.33p.29×23㎝.1700円

1955年アメリカ南部のアラバマ州モンゴメリー。一人の黒人女性の静かな決断が、アメリカの歴史を変えるのです…。

ローザ・パークスは、仕事が終わり家に帰るため市バスに乗りました。その頃のバスは、前に白人、後ろに黒人が座ることになっていました。そして中間にある席にはどちらが座ってもいいはずでした。

黒人の席は満員でした。でも中間の部分にはまだあいた席があって、ローザはそこに腰をおろしました。その時「席を白人にゆずりなさい」と怒鳴るバスの運転手の声が聞こえてきました。

黒人たちが不平等なあつかいを受けることにうんざりしていたローザは、なにかあった時は受けて立つ覚悟ができていました。「ノー」と言ってそこに座りつづけたローザは、警察に逮捕されてしまいます…。

ローザの行為をきっかけとして、黒人たちは平等の権利を得るために、闘う決意を固めます。不正を正すみんなの声の代表者として、キング牧師が選ばれました。

キング牧師は言いました。「バスにはのらないことにしましょう。当然のことが水のように流れ出し、正義が大きな川となるまで。わたしたちは歩くことにしましょう」…。

それから一年、人々は歩きつづけます。モンゴメリーの市民たちが歩きつづけられるように、国じゅうから靴やコートやお金が送られてきたそうです。

やがて最高裁判所は、バスの席を人種によって分けることは違法だという判決を下します。ローザがノーと言ったことが、周りの人々に勇気を与え団結する力となったのです。

コラージュを用いたノンフクション絵本。中学生ぐらいから大人まで。

1955年アラバマ州モンゴメリーで起きたバスボイコット運動。モンゴメリーで牧師をしていたマーティン(キング牧師)も、一緒に歩き、語り、祈ります…。

キング牧師の力づよいことば―マーティン・ルーサー・キングの生涯 Book キング牧師の力づよいことば―マーティン・ルーサー・キングの生涯

著者:ブライアン コリアー,ドリーン ラパポート
販売元:国土社
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「キング牧師の力づよいことば」ドリーン・ラパポート文 ブライアン・コリアー絵 もりうちすみこ訳(国土社)2002年11月発行.1500円

暴力に暴力でこたえてはいけない…。平和的な方法で黒人の人権と自由を訴えつづけたキング牧師。

1964年ノーベル平和賞を受賞後、銃弾に散った彼の生涯と、彼が語った言葉を描いたものです。こちらもコラージュ絵本になっています。中学生くらいから大人まで。

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