「虫めづる姫ぎみ」
「虫めづる姫ぎみ」森山京・文 村上豊・絵(ポプラ社)42p.25㎝×26㎝.1200円
“虫めづる姫ぎみ”は、平安時代の短編物語集「堤中納言物語」におさめられている物語の一つを絵本にしたもの。
ある大納言の姫ぎみは、なによりも虫が大好き。その中でも一番のお気に入りは、毛虫。侍女たちはみんな虫を嫌がって、誰もおそばへ近づこうとしません。 そこで姫ぎみは、わんぱくざかりの貧しい男の子たちをよび寄せて、虫をとってこさせたり、虫の名前を聞き出したりして楽しんでいました。
その時代、身分の高い女の人は、まゆ毛を抜いてかきまゆを作り、お歯黒でしたが、姫ぎみは、おしゃれには何も興味がなく、まゆも歯もそのまま。 侍女たちが嘆き、困り果てた両親が意見しても、一向に気になさる様子もありません。
そんな姫ぎみのうわさを耳にした右馬之助という若い公達が、興味を持ち、いくら虫好きでもへびはこわがるにちがいないと、つくりもののへびを届けさせることに…。
“ものごとは原因と結果を見きわめてこそ、おもしろいのです”と、世間の人がどう見ようと、自分の好きなものを追いかけ続ける姫ぎみ。
平安時代の姫さまというと、恋文に一喜一憂し、ロマンスばかりに気をとられているイメージがありましたが、こんなたくましい姫も実際にいたかもしれませんね。
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虫めづる姫ぎみ(むしめづるひめぎみ) (日本の物語絵本) 著者:村上 豊,森山 京 |
「マンガ日本の古典 7(堤中納言物語)」坂田靖子・著(中央公論社)1995年8月発行.268p.1300円
「堤中納言物語」をマンガ化したもの。「堤中納言物語」は、作者や編者、編年については、定説がないそうです。
10の短編から成る物語ですが、ひとつひとつの物語には何のつながりもありません。
坂田靖子さんのマンガは、コメディタッチで、ほのぼのとしています。やっぱりこの物語の中では、「虫めづる姫君」が一番おもしろいですね。
なんやかんやという待女に対して、
“気にすることないわ。人生なんてしょせん幻のようなものよ。今、この時代のいいとか悪いとかなどたいしたことじゃないわ”
という姫さまのセリフがいいですね。
単行本で読みましたが、文庫化されているようですね。
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堤中納言物語―マンガ日本の古典 (7) 中公文庫 著者:坂田 靖子 |
「虫めずる姫の冒険」芝田勝茂・作 小松良佳・絵(あかね書房)2007年10月発行.157p.1100円
平安京の葵祭り。スズメバチの大群が、“斎院”とよばれる賀茂神社の巫女が乗った行列を襲います。
その危機を救った按察使(あぜち)の大納言の娘“虫めずる姫君”は、ハチが斎院を襲った理由を探るため、法隆寺に潜入します…。
変りものというより、明るく元気な姫さまの謎解き&冒険物語となっています。
挿絵を小松良佳さんの絵にしたのが当たりかな。時代ものを身近なものとして読めることに貢献していると思います。小学校中学年くらいの女の子がターゲットの本でしょう。















