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2008年10月

「ちょうつがいの絵本」井上洋介

ちょうつがいの絵本 新装版 Book ちょうつがいの絵本 新装版

著者:井上 洋介
販売元:フレーベル館
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「ちょうつがいの絵本」井上洋介・絵・文(フレーベル館)2008年7月発行.32p.21×27㎝.1260円

1981年に出された絵本を、新装版として復刊したものです。

全体を通してストーリーがあるわけではありません。二つに折れて、二つに開くちょうつがい。この特徴をふまえて、いろんなものにちょうつがいをつけてみたら…というナンセンス絵本。

そこ(ちょうつがい)に目をつけたか!というのと、そんなアイディアが!というのに、脱帽です。親子で笑って下さい。

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絵本 保存食

干し柿 (あかね・新えほんシリーズ) Book 干し柿 (あかね・新えほんシリーズ)

著者:西村 豊
販売元:あかね書房
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絵本

「干し柿」西村豊・写真・文(あかね書房)2006年10月発行.32p.26㎝.1200円

干し柿を作る工程を撮影した写真絵本です。

干し柿って、こんな風につくるんですねー。初めて知りました。

軒の下一面にびっちりと干された柿。数珠繋ぎに吊るされた柿のなんと色鮮やかなこと。青空に映えています。

もともとは渋柿だった柿は、干すことによって甘くなります。干し柿を作るのは、太陽や風などの自然の力と、手間をかける人の力。干し柿には、それを保存食としてきた昔の人たちの知恵がこめられているんですね。

秋の終わり、枝の先ににひとつだけ柿を残しておく風習は、自然への感謝のしるしと、また次の年も柿がたくさん実るようにというおまじないもこめているそうです。

実際に、子どもたちの干し柿作りの体験も取材されています。皮をむいて吊るして…と、親子で干し柿作りをしてみるのも楽しいと思います。

 うめぼし うめぼし
販売元:セブンアンドワイ
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「うめぼし」石橋國男・指導 辰巳芳子・料理 山本明義・写真(フレーベル館)2007年10月発行.28p.27×21㎝.1000円

梅干は、どのようにして出来るのか…。その作り方を写真で丁寧に紹介していきます。

梅干をつけているのは、料理研究家の辰巳芳子さん。食べたい!と思うほど、とってもおいしそうな梅干が出来上がっています。

じゃむじゃむどんくまさん じゃむじゃむどんくまさん

販売元:楽天ブックス
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「じゃむじゃむどんくまさん」柿本幸造・絵 蔵冨千鶴子・文(至光社)2006年発行.1200円

秋です。どんくまさんは、鈴なりになっているりんごの木をゆすって、たくさんのりんごを落としました。それを、うさぎのおじさんのじゃむやさんまで運んで、ジャム作りを手伝い、町まで売りに行きました。

“りん りん りんごじゃむ できたての りんごじゃむ いりませんか”。

ジャムはあっという間に売り切れました。けれども、みんなからお金をもらうのを忘れたどんくまさんは、うさぎのおじさんに叱られてしまいます…。

ドジだけど、一生懸命などんくまさん。憎めないキャラクターですね。秋色いっぱい、甘ずっぱいにおいでいっぱいの絵本です。

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絵本「コッコさんのかかし」

コッコさんのかかし (日本傑作絵本シリーズ) Book コッコさんのかかし (日本傑作絵本シリーズ)

著者:片山 健
販売元:福音館書店
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「コッコさんのかかし」片山健(福音館書店)1996年4月発行.32p.26×26㎝.1000円

コッコさんは、お父さんとお兄ちゃんの3人で作ったかかしを、近所の農家に持っていきました。かかしが本当に畑に立てられて鳥を見張っているか、コッコさんが見に行ってみると、かかしは畑の中でその役割をちゃんと果たしていました…。

かかしは、雨の日も夏の暑い日も、台風の日には泥だらけになりながらも、静かに畑を見守っています。(雨風でかかしの帽子や眼帯、持ち物などが飛ばされてしまったのか、台風の後は違った服装をしていますよね)。

そんな変わらないかかしのいる畑の風景は、種まきの春から実りの秋へと、どんどん移り変わっていきます。

油絵で描かれた片山健さんの絵がとてもいいです。もともとは、月刊「かがくのとも」の“かかし”として出されたものを、コッコさんシリーズの一つとして書き直したものなんだそうです。

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ほぼ日手帳2009COUSIN(カズン)届きました

来年用のほぼ日手帳が届きました。

思い切ってCOUSIN(カズン)を注文したのは、ずっと同じ形の手帳を使ってきたので(ほぼ日手帳を使い出して6年目)気分を変えてみたかったのと、週間スケジュールを家計簿のページとして使おうと思ったから。カバーは落ち着いた色にしたかったので、おっちゃん色のマロン×ブラック…。

タンボールを開けた私と、それを見ていた娘が、実物のカズンを見て、同時に言った言葉は、「デカッ!!」

A4の紙を半分に折って、こんな感じかなとイメージしていたのですが、思ってたより大きかった…というのが実感です。(大きさに驚いて重さはそんなに感じませんでした)。手帳というより、“日付けがついたノート”と考えた方がいいかもしれません。

ほぼ日手帳は、下に書いてある言葉と、祝日のデカデカ文字が、人前で開く時にちょっと恥ずかしいなと思うことがあったのですが、この大きさも人前で開くのはちょっと抵抗が…。(でも、なんだかんだ言っても、1日1ページというところと、パタンと180度開く製本が気に入ってるので使い続けているのです)。

たぶん、2009年カズンは試作品という色合いが強いんでしょうね。

・カズンにもナイロンカバーが欲しい。(気に入ったポストカードを入れて使いたい)。

・通常版にある、時間軸の横の秘密の縦ラインを入れて欲しかった。

・週間スケジュールのページも、12/1スタートにして欲しい。

・カズンにも下敷きを!(最初の方のページが、ガタガタして書きにくい)。

・カズンのしおりは、もう1本欲しい。

・おまけのページに、1ページでも2ページでも、日付けの入っていないメモのページを入れて欲しかった。

メモ魔なので、書くことがなくて困ることはないかな。まずは1年間使ってみます。

   ※ ほぼ日手帳2009のページは、こちらから。

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絵本「おとなりさん」

おとなりさん Book おとなりさん

著者:高畠 純,きしら まゆこ
販売元:BL出版
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「おとなりさん」きしらまゆこ・作 高畠純・絵(BL出版)2006年3月発行.32p.24×20㎝.1300円

森の奥に、二軒の家がありました。赤い屋根の家には、にわとりが住んでいます。

にわとりは、空家だった隣の青い屋根の家に、誰かが引っ越してきたと知って、わくわくします。でも、おとなりさんは暮らしてる気配はあるのに、なかなか会えません。だって、おとなりさんというのは…。

おとなりさんは誰なのか?(大人だと途中でピンときますよね…)、ふたりは会えるのか?最後までハラハラドキドキ楽しめる絵本です。

お互いにおとなりさんが気になり、会うことを楽しみにしてるのに、すれ違うふたり。ドキドキするような、ワクワクするような気持ちの高まりもわかりますよね。

テンポがいい文章も、ほのぼのとしたユーモラスな絵もいいです。なかなか会えなくても上手にお付き合いができる方法を考えたラストもGood!おすすめです。

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絵本「バスがきました」

バスがきました Book バスがきました

著者:谷川 晃一
販売元:毎日新聞社
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「バスがきました」谷川晃一(毎日新聞社)2008年4月発行.36p.26㎝.1500円

村から山へ、山から町へ、バスが走ります。お坊さんに火星人にドラキュラ…。奇妙な人たちが、集団で停留場で降りたら、いろんなものにお乗換え~。

表紙の魔女たちは、“まじょひろば”に到着、“ホウキにおのりかえ”。仙人たちを乗せたバスは、“せんにんとうげ”に到着、“くもにおのりかえ”。アラビア・ホテル前に着いたバスに乗っていた人たちは、“そらとぶじゅうたんにおのりかえ”。

遊び心いっぱいの、ナンセンス絵本です。

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福音館月刊雑誌 2008年11月号

■ こどものとも 2008年11月号(通巻632号)

クモのつな」さくまゆみこ訳 斎藤隆夫・画(福音館書店)32p.26×19㎝.410円

昔々、日照りの日が長く続き、大地から緑が消えました。動物たちも食べ物が手に入らず、やせ衰えていく中、クモだけは元気でピンピンしていました。

ノウサギがそのわけをたずねると、みんなには秘密だよと言って、1本の木の下に連れていってくれました。そこで、“”おかあさーん、おかあさん!やってきたのはぼくですよ。つなをおろしてくださいな”と歌うと、するするとつなが降りてきて、木の上に登ると、そこにはごちそうがいっぱい。おなかいっぱい、喜んで帰ったノウサギが、内緒だと言われたことも忘れて、みんなに話してしまいます。

その晩、カメとヤマアラシと、ヒョウと、ゾウと、ラクダが、木の下で歌を歌うと、つなが降りてきました。みんなで押し合いへしあい大騒ぎをしていると、クモが目を覚まし急いで歌いました。“おかあさーん、おかあさん!のぼっていくのはぼくじゃない。つなをきってくださいな”。

クモのおかあさんが、つなをぶつっと切ったので、動物たちはみんな落ちてしまいました…。

西アフリカ・シエラレオネに伝わる昔話。ヒョウの斑点、ラクダのこぶ、ヤマアラシのトゲ、カメの甲羅、ゾウの鼻、ノウサギが穴でくらしている訳…と、動物たちのすがた形の由来話になっています。

実は、この国の名前もどこにあるのかも知らなかったのですが…。

アフリカ西部にある、シエラレオネ共和国。奴隷貿易で、イギリス、カナダ、西インド諸島に連行された黒人の子孫たちが戻ってきてつくった小さな国で、ギニア、リベリアに隣接しています。1991年~2002年まで、ダイアモンド鉱山の支配権をめぐって内戦が起き、今でも5歳まで生きられない子どもの数が世界で最も多い国なんだそうです。

 かがくのとも 2008年11月号(通巻476号)

でんちゅう」野坂勇作・作(福音館書店)28p.23×25㎝.410円

街路灯に標識、看板、電気の線に電話線、変圧器…。1本の電柱には、下から上までいろいろな働きをするたくさんのものがついています。

毎日、目にしているのにもかかわらず、意外に知らなかった電柱のコト。この本を読んだ後、近所の電柱にはどんなものがついているか、親子でゆっくりと眺めてみるのもいいでしょう。

 たくさんのふしぎ 2008年11月号(通巻284号)

メコン-源流をもとめて-」鎌澤久也・文・写真(福音館書店)40p.25×19㎝.700円

まるで紙上で見る「世界・ふしぎ発見!」。

全長4200km、日本列島のおよそ1.5倍もあるというメコン川。その大河を、河口から源流までたどっていく写真絵本です。

人々の生活に密着した川は、“メコン川”から“瀾滄江”と名前が変わってもつながっていき、やがて標高4800メートルまで上がったところにチョロチョロと流れ出る源流に出会います。広大な川は、ここからはじまっているんだと感慨深いラストでした。

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韓国の絵本「あずきがゆばあさんとトラ」

あずきがゆばあさんとトラ (韓国の絵本10選) Book あずきがゆばあさんとトラ (韓国の絵本10選)

著者:ユン ミスク,チョ ホサン
販売元:アートン
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「あずきがゆばあさんとトラ」チョ・ホサン文 ユン・ミスク絵 おおたけきよみ訳(アートン)2004年11月発行.1500円

昔、山里の畑で、たくさんのあずきを育てているおばあさんがいました。ある日、裏山からトラが降りてきて、おばあさんを食べようとしました。おばあさんは、「あずきが実って、あずきがゆを1杯食べるまで待っておくれ」と頼みました。

秋になり、あずきが実ると、おばあさんはあずきがゆをお釜にいっぱい作りました。けれども、トラに食べられてしまことを思うと、悔しく悲しくて泣いていました。

すると、たまごにスッポン、うんち、きり、石うす、むしろ、しょいこが、次々とやってきて、あずきがゆを1杯分けてくれたらおばあさんを助けてあげることを約束します…。

日本の“さるかに”の昔話を彷彿とさせます。このお話は、韓国の昔話の中でも、ポピュラーなものなんだそうです。ユーモラスな絵と繰り返しが楽しくて、お国が違っても、すんなり受け入れられるのではないでしょうか。裏表紙で、みんな揃ってあずきがゆを食べてるシーンが、かわいらしいですね。

ちなみに、韓国では冬至にあずきがゆを食べる習慣があるそうです。

かにむかし―日本むかしばなし (大型絵本 (27)) Book かにむかし―日本むかしばなし (大型絵本 (27))

著者:木下 順二,清水 崑
販売元:岩波書店
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「かにむかし」木下順一・文 清水崑・絵(岩波書店)1959年12月発行.640円

むかしむかし、かにが浜辺で、柿の種を拾ってきた。かにはその種を庭にまいて、毎日せっせと世話をしたので、柿はたくさんの大きな実をつけた。

かにはその実をもごうと、何度も木に登ろうとするけれど、落ちてしまう。

そこへ山から、一匹のさるが降りてきて、「そんならおらがもいでやろうか」と、柿の木にかけのぼり、自分だけ次から次へと食べ始めた。かにが「いっちょぐらい、もいでよこさんか」と言うと、さるはかに青い柿を投げつけて殺してしまう。

つぶれたかにの甲羅の下から、たくさんのかにの子どもたちが這い出してきた。かにの子どもたちは、自分たちできびをまいて作ったきびだんごを腰につけて、親がにのあだうちに出かけた。

途中出会った、ぱんぱん栗と蜂、牛のふん、はぜ棒、石うすも、日本一のきびだんごをわけてもらい、仲間となって、さるの番屋にやってきた…。

この絵本の中では、さるがかににうまいことを言って柿の種とおにぎりを交換する場面はなく、桃太郎の話に似たきびだんごが登場します。

「かにどんかにどん、どこへゆく」「さるのばんばへあだうちに」「こしにつけとるのは、そらなんだ」「にっぽんいちのきびだんご」「いっちょくだはり、なかまになろう」「なかまになるならやろうたい」…。この繰り返しのリズムがよくて、何度も読んでいるうちに覚えてしまいます。

勇ましいわりには、どこかとぼけた絵がユニークです。

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絵本「ハンダのびっくりプレゼント」

ハンダのびっくりプレゼント Book ハンダのびっくりプレゼント

著者:アイリーン ブラウン
販売元:光村教育図書
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「ハンダのびっくりプレゼント」アイリーン・ブラウン作 福本友美子・訳(光村教育図書)25p.22×27㎝.1400円

ハンダは、友だちのアケヨにあげようと、果物が7つ入ったかごを頭にのせて歩き出しました。アケヨはどの果物が好きかなと考えながら歩いていると、気が付かないうちに動物たちがこっそりつまみ食い…。あれあれ、かごが空になってしまうと思ったら、思わぬ出来事が。そして、アケヨの所に着いたハンダはびっくり仰天!

なんとも意外なハッピーエンドに、にっこり。

色鮮やかな絵本です。黒人の女の子が主人公ですが、著者はイギリスの方。(アフリカのケニアに住むルオ族の子どもたちがモデルになっているそうです)。アフリカの文化や風景なども丁寧に書き込まれています。幼稚園くらいから読めるかな。

同じように歩いている本人が知らぬ間に、まわりでいろんなことが起きている絵本として、

ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本) Book ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本)

著者:パット=ハッチンス,わたなべ しげお
販売元:偕成社
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「ロージーのおさんぽ」パット=ハッチンス作 わたなべしげお・訳(偕成社)1975年8月発行.30p.21×27㎝.1000円

めんどりのロージーが、おさんぽにおでかけ。でも危ない危ない!ロージを狙って、きつねが後についてきていますよ…。

自分が狙われているとは全く気がつかず悠然と歩くロージーと、次から次へと痛い目にあってしまうきつね。きつねは池にはまったり、干草や小麦粉の山に埋もれたり…、ついにはハチの大群に襲われて逃げ出してしまいます。

言葉はシンプル。絵で語る絵本ですね。ハラハラドキドキしながらも、笑えます。

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絵本「つつじのむすめ」

つつじのむすめ つつじのむすめ

販売元:楽天ブックス
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「つつじのむすめ」松谷みよ子・文 丸木俊・画(あかね書房)1974年11月発行.32p.28㎝.980円

山を五つ越した先の祭りに招かれた娘は、その村の若者と恋に落ちた。娘は、若者に会いたくて会いたくて、毎晩五つの山を越えて、彼のもとにやってくる。

しかし、若者は嵐の夜にもやってきた女が、魔性のものではないかと疑うようになる。おそろしさが厭わしさに変わり、若者は娘がやってくる険しい崖の上で待ち伏せをし、彼女を谷に突き落とした。

やがて、そのあたりには、あわれな娘の血がしたたったのか、真っ赤なつつじの花が咲き乱れるようになったという…。

掌に米を握りしめて山を走り続け、若者のもとに着いた時には、それがつきたてのもちになっている。そのもちを二人で食べながら、幸せな時間を過ごしていた。けれども、若者が娘を魔性のものと思ってからは、そのおもちを食べなくなる…。

若者に会いたい一心で、山を越えてくる娘の一途で激しい恋心。それがだんだんおそろしくうとましく感じる若者…。娘の思いは報われず、愛した男性から殺されてしまうという“悲恋物語”。なんとも切ないお話です。大人向けですね。

妖艶で迫力のある丸木俊さんの画に圧倒されました。

以前、松谷みよ子さんの講演会の中で、この「つつじむすめ」のお話をされていて、丸木俊さんがある新聞に、“松谷さんも私も掌に餅を握りしめて走る女なのです”と書かれた文章をみて恐縮しましたと話されていました。

このことは、松谷さんの「民話の世界」(2005年発行.PHP研究所)の中にも書かれています。

民話の世界 Book 民話の世界

著者:松谷 みよ子
販売元:PHP研究所
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〔引用文〕

けれども走りつづけているうちに、はっと掌を開いてみたら餅になっていたという実感は、振返ってみればわかる気がする。結婚と同時に人形劇団を結成したこともあって、劇団のこと、家事のこと、書くこと、育児と、私は家の中でさえ走りつづけてきたような気がする。走らなければ何しろ間に合わなかった。そんなふうに夢中で走りつづけたことが、掌の餅になって私には何かを与えられたという気がする。それは、いま振返って思うことなのだけれども。

なお、この話は、長野県上田市の太郎山に伝わる民話「つつじの乙女」を下敷きにして書かれた絵本です。「松谷みよ子の本 9」(1995年講談社発行.700ページ以上の厚い本です)の中に、「つつじの乙女」が掲載されています。

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