「てとてとてとて」浜田桂子(福音館書店)2008年4月発行.28p.26㎝.1500円
手は毎日いろんなことをする。顔を洗う。ごはんを食べる。ボタンをはめる…。それだけじゃないよ。手を叩いて楽器になる。水をすくってコップがわりと…、道具にもなる。押し相撲、せっせっせ~♪と手で遊ぶ。手話は手で言葉を伝え、点字は手で触れて文字を読む。
そして、手はなにも言わなくてもいろんなことを伝えてくれる。拍手をすると嬉しい、もらっても嬉しい。わくわくドキドキ手をつなぐ。手をにぎってもらうと安心する、力がわく。うれしい気持ちがつながっていく…。
手って、すごい!浜田桂子さんのあったかい絵で、手が持ついろんな力を描きます。
「わたしのて」ジーン・ホルゼンターラー文 ナンシー・タフリー絵 はるみこうへい訳(童話館出版)2002年9月発行.32p.20×22㎝.1300円
ファスナーをしめる。ひもをむすぶ。えをかく。のりではる…。
こちらも、手を使ってできることが紹介されています。“手”が主役のこの絵本では、わたしの顔を描くことなく、手のアップのみで展開されているのが印象的です。
「わたしの手はおだやかです」アマンダ・ハーン文 マリナ・サゴナ絵(ソニー・マガジンズ)2005年8月発行.23×25㎝.1400円
ふだん無意識に使ってますが、“手”は自分の意思で動いています。いいことも悪いことも。だけど私は選びません。誰かを傷つけたり、なにかを盗んだりすることは…。私が好きなのは私の手でかわいがることや分け合うことです。それを決めるのは自分自身なのです。
色鮮やかな絵本。言葉は少ないですが、世界中の人々の“手”がおだやかでありますように…というメッセージが、まっすぐに伝わってきます。高学年の子どもたちに読んであげたいと思いました。
「ぼくのおばあちゃんのてはしわしわだぞ」そうまこうへい(架空社)1999年6月発行.850円
おばあちゃんの手はしわしわだ。「どうしてそんなにしわしわの手になっちゃったの?」と聞いたぼくにお父さんは言った。「それはね、だいかつやくしたからなんだよ」
おばあちゃんはその手で5人の子どもを育て、洗濯して、料理して、お掃除してきたんだもの。おばあちゃんのしわは、その大活躍の証拠なんだよ…。そう答えるお父さんも、そんな風に言えるお父さんを育ててきたおばあちゃんも素敵です。年だから…でも、苦労してきたから…でもなく、“大活躍”したからとは、なんといい言葉なんでしょう。
「ハルばあちゃんの手」山中恒・文 木下晋・絵(福音館書店)2005年6月発行.40p.29×31㎝.1500円
ほくろのある器用な手を持つハルさん。彼女の一生が、静かに語られます…。
「ほくろのあるいい手じゃ。きっとこの子は器用だし、幸せになるよ」と言われた赤ん坊のハルの手。その言葉通り折紙でも、お手玉でもなんでもこなす小学生のハル。15の時、相次いで両親を亡くし、生活はハルの肩にかかります。漁の手伝いをし、わらぞうりをつくったり、針仕事をしたりして祖母ときょうだいを支えます。そして、“手”を縁にして結婚し、二人の子どもを育て、夫と共にケーキ屋を繁盛させます…。
子どもよりも年齢を重ねたお年寄りに贈りたい絵本だと思いました。ハルばあちゃんの手には人生が刻まれています。赤ちゃんの柔らかい手が、経験を重ね力強い手へ変わっていく様を、鉛筆画で繊細に描いています。