« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月

絵本「ゆきだるまはよるがすき!」

ゆきだるまはよるがすき! (評論社の児童図書館・絵本の部屋) Book ゆきだるまはよるがすき! (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

著者:マーク ビーナー,キャラリン ビーナー
販売元:評論社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ゆきだるまはよるがすき!」キャラリン・ビーナー文 マーク・ビーナ絵 せなあいこ訳(評論社)2005年11月発行.32p.28×22㎝.1300円

前の日作ったゆきだるまが、次の朝にはくたっ~となってることがありますよね。夜の間、ゆきだるまたちは何をしてるのでしょうか??

あたりが真っ暗になってから、公園に集合したゆきだるまたちは、かけっこにスケート、雪合戦にそりあそび…と、力いっぱい遊びます。ほんとに楽しそう!いきいきと遊んでます。絵本の中からゆきだるまたちの歓声が聞こえてきそうです。妙にリアリティがあって納得されられますね。

遠目がきく絵なので集団の読み聞かせにも使えます。幼稚園くらいから。

| | コメント (0)

絵本で読む、“クリスマスってなあに”

クリスマス Book クリスマス

著者:バーバラ・クーニー
販売元:長崎出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「クリスマス」バーバラ・クーニー作 安藤紀子訳(長崎出版)2007年11月発行.1500円

イエスの誕生や、クリスマスの由来について書かれたもの。物語ではなく、説明・解説になりますが、静かなやさしい語り口が、物語を読んでいるような感覚におちいります。バーバラ・クーニーの絵がとてもいい。内容的には小さい人たちには難しいので、高学年くらいから。

| | コメント (0)

落語絵本「しにがみさん」

しにがみさん Book しにがみさん

著者:野村 たかあき
販売元:教育画劇
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「しにがみさん」野村たかあき作・絵(教育画劇)32p.27×22㎝.1300円

柳家小三治さんの落語「死神」をもとにしたもの。

江戸のまち。食べ物を買うお金にも困り、死んでしまいたいと思っていた男の前に、しにがみがあらわれた。

“しごとを世話してやる。医者をやれ。おまえは今日から、しにがみが見える。しにがみが枕元にいれば助からない。けれど足元にいれば助かる。呪文を唱えて手を叩けば、しにがみはいなくなる”。そういって、しにがみはいなくなった。

医者の看板を出して、しにがみの言った通りにやってみると、たちまち病人は元気になる。それから評判を呼んで男はお金持ちになった。

ところが贅沢三昧をして、また一文なしになってしまった男は、五千両に目がくらみ悪知恵を働かせ、しにがみとの約束を破ります…。

最後のオチがわかる小学生高学年くらいから。

志の輔らくごのごらく(1)「はんどたおる」「死神」 Music 志の輔らくごのごらく(1)「はんどたおる」「死神」

アーティスト:立川志の輔
販売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
発売日:2002/11/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

私が初めて「死神」の話を聞いたのは、志の輔さんの落語でした。このCDに一緒に収録されている新作落語の「はんどたおる」、大好きです。何度聞いても笑えます!おすすめ。

| | コメント (0)

「宋姉妹」

宋姉妹―中国を支配した華麗なる一族 (角川文庫) Book 宋姉妹―中国を支配した華麗なる一族 (角川文庫)

著者:伊藤 純,伊藤 真
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「宋姉妹-中国を支配した華麗なる一族」NHK取材班・著(角川書店)1995年6月発行.220p.1400円

「昔、中国に三人の姉妹がいた。一人は金を愛し、一人は権力を愛し、一人は中国を愛した」。

金を愛した長女・靄齢、中国を愛した次女・慶齢、権力を愛した三女・美齢。

宋慶齢と孫文の結婚に始まり、宋美齢と蒋介石の結婚によって完成した「宋王朝」。孫文の死後、蒋介石によるクーデターが、三姉妹の亀裂をもたらす。自ら訣別の道を選び、「宋王朝」を崩壊させるために戦いつづけた慶齢。20世紀の中国の激動を生き抜いた宋三姉妹の物語…。

1994年7月にNHKで放送された、ドキュメンタリー・ドラマ「宋姉妹」を書籍化したもの。

抗日戦争時の中国とアメリカの密接な関係、その外交関係を築くためにファーストレディーとして美齢が果たした役割、宋一族の大規模な不正と腐敗…。知らなかった歴史の事実と裏側に驚き、三姉妹の波乱万丈な生涯に圧倒されながら、夢中になって読みました。面白かったです。

政治的なことはわかりませんが、一人の女性の生き方として印象に残ったのは、亡き夫・孫文の遺志を貫き通した慶齢の強さでした。

書影は角川文庫版を使わせてもらっていますが、実際読んだのは単行本の方です。単行本が出版された1995年時点では、美齢97歳、ニューヨークで健在でしたが、2003年10月に105歳で亡くなったそうです。

中国がどんな歴史を歩んできたのか。大まかでいいから知りたいと思って読んだ本。子ども向けなので、高学年くらいから読めます。点でしかわかっていなかった人や事柄が、線としてつながりました。

はじめてであうアジアの歴史〈3〉中国の歴史 (国際理解シリーズ) Book はじめてであうアジアの歴史〈3〉中国の歴史 (国際理解シリーズ)

著者:歴史教育者協議会
販売元:あすなろ書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「はじめてであうアジアの歴史 3.中国の歴史」NHK取材班・著(あすなろ書房)1998年1月発行.48p.2800円

「ナショナルジオグラフィック誌」のナショナルジオグラフィック協会が、子ども向けに出版した“世界の国”シリーズ。1巻に1国ずつとりあげて、地理・自然・歴史・文化・政治経済と5つの項目についてまとめています。調べものなどで、特定の国について調べている時など便利に使えます。

中国 (ナショナルジオグラフィック 世界の国) Book 中国 (ナショナルジオグラフィック 世界の国)

著者:ジェン・グリーン
販売元:ほるぷ出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「中国(ナショナルジオグラフィック世界の国)」ジェン・グリーン著(ほるぷ出版)2007年10月発行.64p.2000円

急速に近代化したところと昔から変わらないところが混在・混沌としているような印象がある中国。来年の北京オリンピックは、2008年8月8日午後8時に開会式を行なう予定だとか。(中国では“8”は繁栄を意味する縁起のいい数字なんだそうです)。

さすが・・・というか、写真がとても美しいです。バダインジャラン砂漠の砂丘を越えていくフタコブラクダの群れの写真にうっとりと見入ってしまいました。

「長江哀歌」という映画の舞台にもなった三峡ダムのこと(2009年完成予定の世界最大のダム。この建設で水位が上がるため、およそ120万人の人々が移住しなければならなかったそうです)。ササしか食べないパンダは、ササにはわずかな栄養しかなく大量に食べなくてはならないので、1日16時間を食べることに費やしている…など、いろんなことに興味が広がりました。

| | コメント (0)

「ヘラジカがふってきた!」

ヘラジカがふってきた! ハリネズミの本箱 Book ヘラジカがふってきた! ハリネズミの本箱

著者:アンドレアス・シュタインへーフェル
販売元:早川書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ヘラジカがふってきた!」アンドレアス・シュタインヘーフェル・著 鈴木仁子・訳 ケルスティン・マイヤー・絵(早川書房)2003年11月発行.110p.1500円

クリスマスが近づいたある夜、ベルティルの家の屋根をつきやぶって、ヘラジカが空から落ちてきた。

「ミスター・ムースです」と名乗ったヘラジカは、トナカイの代わりにサンタのそりの試運転をしていて、足をすべらせて落っこちたという。ママは、ミスター・ムースのケガが治るまで、カレージでかくまうことにした…。

両親が離婚してパパがいなくなり、寂しい気持ちを抱えていたベルティル。彼の家にヘラジカがやってきてからの騒動を、ユーモラスな語り口で読ませます。柔らかな線で描かれたカラーの挿絵も、物語の雰囲気にぴったりです。

「わしがくばるプレゼントってのは、お金で買うプレゼントのことじゃないぞ。わしを信じる人間が、心のずうっとおくふかくでねがっていることを、かなえてやるのがわしのプレゼントなんじゃ!」

ヘラジカを迎えにきたミスター・ムースの“ボス”サンタクロースは、ベルティルにそう言います。サンタクロースは言葉通りに、ベルティルとミスター・ムースの心の奥深くにある願いをかなえてくれるのでしょうか…。

ドイツの児童文学。中学年くらいから。

| | コメント (0)

クリスマスの物語

クリスマス・キャロル (岩波少年文庫) Book クリスマス・キャロル (岩波少年文庫)

著者:チャールズ ディケンズ
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「クリスマス・キャロル」ディケンズ作 脇明子訳(岩波少年文庫)2001年12月発行.216p.640円

言わずと知れた名作です。

19世紀のロンドン。クリスマス・イヴの夜、けちで気難しいスクルージの前に、三人の幽霊があらわれます。幽霊たちに、自分の過去・現在・未来を見せられたスクルージは、心を入れ替え、これまでの生き方を改めます…。

シモンとクリスマスねこ―クリスマスまでの24のおはなし Book シモンとクリスマスねこ―クリスマスまでの24のおはなし

著者:レギーネ シントラー,ジータ ユッカー
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「シモンとクリスマスねこ」レギーネ・シントラー作 下田尾治郎・訳 ジータ・ユッカー画(福音館書店)2003年11月発行.179p.700円

12月に入って、クリスマスがくるまであと24日。まだ“にーじゅうよん”まで数えられないと泣きべそをかくシモンのために、おとうさんはいいことを思いつきます。

飼い猫ねこのフローラのしっぽの縞の数は、24。おとうさんがフローラの24本の縞入りのしっぽの絵を描いてくれたので、毎日おやすみのお話をしてもらったあと、毎日ひとつずつ色をぬっていくことにします。

すべてぬりおわった時にクリスマスがやってきます…。

12月1日から24日まで、クリスマスを待ちながら、毎日1つずつ色をぬりつぶしていくのは、毎日1つずつ窓を開いていくアドベントカレンダーに似てますね。おとうさんおかあさんやおばあちゃん、時には不思議なもの(?)たちがしてくれる短いお話もバラエティに富んでいます。

クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫) Book クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫)

著者:E.T.A. ホフマン
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「クルミわりとネズミの王さま」ホフマン作 上田真而子・訳(岩波少年文庫)2000年11月発行.180p.640円

「くるみわり人形」というタイトルでおなじみの、こちらも古典になりますね。

クリスマスイブの日、マリーはたくさんのプレゼントの中からクルミわり人形を見つけ、ひと目で大好きになりました。

その夜から、マリーの周りで起こる不思議な出来事。そして、ドロッセルマイアーおじさまが話してくれたお話…。夢か現実か?二つの世界が交錯します。

おもちゃ屋へいったトムテ (世界傑作童話シリーズ) Book おもちゃ屋へいったトムテ (世界傑作童話シリーズ)

著者:ささめや ゆき,エルサ ベスコフ
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「おもちゃ屋へいったトムテ」エルサ・ベスコフ作 菱木晃子訳 ささめやゆき絵(福音館書店)1998年10月発行.48p.1200円

とても好きなクリスマスのおはなしです。

スウェーデンの絵本作家ベスコフの短いお話。(幼年向き読みものといったらいいでしょうか)。彼女自身の絵ではなく、ささめやゆきさんの絵をつけたことが、いたずら坊主(?)のトムテのイメージとぴったり合っていて、とてもいいです。

いなかの小さな家に住む二人のむすめさんは、自分たちでつくった人形を町のおもちゃ屋へ売って暮らしていました。そしてそのむすめさんたちの家の床下には、むかしからトムテの家族が住んでいました。

クリスマスが近づいた夜のこと。仕事部屋に忍びこんで、つくりたての人形と遊んでいたトムテの子どもヌッセは、ほかの人形と一緒に箱に詰められて町のおもちゃ屋へ送られてしまいます…。

ヌッセがちゃんと家へ帰れるかハラハラさせながらも、ショーウインドウに飾られたヌッセ自身はその状況を楽しみ、結果的にはいろんな人たちに幸せをもたらします。

トムテは、スウェーデンのサンタクロースとして知られているもので、もともとは北欧の森に住んでいた妖精だといわれています。スウェーデンの農家を守り、暮らしを楽にしてあげるため、家族がねむっている間にこっそりと仕事をしていくんだそうです。(物語の中でも、とうさんトムテは、むすめさんたちがねむった後、鍵はかかってるか、かまどの火は消えているか見まわっていますね)。ただ気難しく意地悪な面もあるので、クリスマス時期には、トムテへのご褒美として、ミルクで煮込んだおかゆを出しておく習慣があるそうです。

| | コメント (0)

「しめかざり」月刊たくさんのふしぎ

お正月に飾る「しめかざり」は、家に“年神様”というお正月の神様を迎えるために飾るのだそうです。(我が家では、“一日飾り”は縁起が悪いと、いつも12月30日に慌てて飾っている状態です。)

そのしめかざりは、どのようにつくられているのか。日本全国、地域によるかたちの違い。しめかざりについている飾りの意味などが、わかりやすく説明されています。知らなかったことがいっぱいでした。

ちなみに、しめかざりの縄は、左に綯われているんだとか。日本では昔から、左を「聖(神聖)」、右を「俗(日常)」とする考え方があり、しめかざりは日常とは違う特別なものとして、左綯いにすることが多いそうです。今年は買ったあとで、気をつけてじっくりみてみたいと思います。

しめかざり」月刊たくさんのふしぎ(2008年1月号)森須磨子・文・絵 700円

| | コメント (0)

「おもちのきもち」

おもちのきもち (講談社の創作絵本) Book おもちのきもち (講談社の創作絵本)

著者:かがくい ひろし
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「おもちのきもち」かがくいひろし(講談社)2005年12月発行.24p.27㎝.1500円

タイトルそのまま、おもちの気持ちが語られます。

おもちだっていろいろなやみがあるんです…。おもちつきでたたかれ、のばされ、ちぎって丸められる。あんこやきなこをつけられてペロリと人間に食べられてしまいます。

かくいうわたくしは、かがみもちと呼ばれ、床の間に飾られて大事にされていますが、いつ何時食べられることやら。ああ、おそろしいや。そこで、わたくしこの度逃げ出すことにいたしました~。

一生懸命走ったのでおなかがすいてしまい、自分で自分を食べてみることに。うまいうまいと食べてるうちに、次第にからだがかたーくなってきて…。

豪快に走り、食べるおもちの表情と、丁寧な語り口に爆笑です。

| | コメント (0)

「ソルビム」

ソルビム―お正月の晴れ着 Book ソルビム―お正月の晴れ着

著者:ペ ヒョンジュ,ピョン キジャ
販売元:セーラー出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ソルビム」(お正月の晴れ着-女の子編)ペ・ヒョンジュ絵と文 ピョン・キジャ訳(セーラー出版)2007年1月発行.31p.25×26㎝.1500円

ソルビム 2 (2) Book ソルビム 2 (2)

著者:ペ ヒョンジュ
販売元:セーラー出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ソルビム 2」」(お正月の晴れ着-男の子編)ペ・ヒョンジュ絵と文 ピョン・キジャ訳(セーラー出版)2007年11月発行.38p.25×26㎝.1500円

タイトルの“ソルビム”とは、お正月のために新調した晴れ着のこと。韓国・朝鮮の人々は、お正月になると、頭のてっぺんからつま先まで、身につけるものをすべて新調するそうです。

お正月の朝は、おかあさんがぬってくれた新しい晴れ着に袖を通す日。女の子はチマ・チョゴリを、男の子はパジ・チョゴリを自分で1つ1つ身につけます…。

韓国の風習や衣装に触れられる絵本です。

とても色鮮やかで美しい絵本。チマ・チョゴリやパジ・チョゴリの着方もよくわかります。

自分ひとりで上手に着ることができた後、女の子はおしゃまにポーズをし、男の子は満足そうな笑顔をみせます。どちらもとてもかわいらしい。そして新年を迎える凛とした空気を感じとることができます。

| | コメント (0)

絵本「もちづきくん」

もちづきくん Book もちづきくん

著者:長野 ヒデ子,中川 ひろたか
販売元:ひさかたチャイルド
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「もちづきくん」中川ひろたか作 長野ヒデ子絵(ひさかたチャイルド)2005年12月発行.26p.25×25㎝.1000円

もちづきくんは、出前サービスのおもちつきやさん。ねこの手も借りたい忙しさのところにあらわれたこねこをお供に、臼をゴロゴロころがしながらまいります…。

リズミカルなことばと、長野さんの楽しい絵!真剣な顔つきでおもちをつくもちづきくんが格好いいです。

“ぺったんぺったん”“こねこねこ”。ねこの合いの手も調子良く!その場面は、しかけになっていますので、おいしくおもちがつきあがるように、何度も“ぺったんぺったん”“こねこねこ”と繰り返して読んであげて下さいね。

大型絵本にもなっています。つきあがったおもちがびゅーんと伸びる場面は、ページが広がり迫力ありますよ。

| | コメント (0)

「つんつくせんせいとくまのゆめ」

つんつくせんせいとくまのゆめ Book つんつくせんせいとくまのゆめ

著者:たかどの ほうこ
販売元:フレーベル館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「つんつくせんせいとくまのゆめ」たかどのほうこ作・絵(フレーベル館)2007年11月発行.32p.27×21cm.1200円

つんつくせんせい絵本シリーズの新作です。

つんつくえんのみんなは、つんつくせんせいを先頭に、大きなそりに乗ってそり遊び。いきおいよく坂を滑り降りてきて、どこかにどっしーん!ぶつかったのは、つんくまえんのくまたちが冬眠している小屋でした。

中に入ってみると、おいしそうなごちそうが…(それは、くまたちが春になって目覚めたときの食べ物だったんですけどね)。となりの部屋でくまたちがねむっていることに気がついた子どもたちは、おおあわて。けれど、つんつくせんせいは、「冬眠中ということは、春まで起きないってことよ」と、ごちそうを食べ始めます…。

「つんつくせんせいとつんくまえんのくま」では、ギリギリのところですれ違ってハラハラされられますが、この本の中では、ばっちり顔をあわせることになります。その時、つんつくせんせいがとった行動に爆笑!作者たかどのほうこさんの茶目っ気がいっぱい詰まった1冊です。

| | コメント (0)

「ハーメルンの笛吹きを追え!」

ハーメルンの笛吹きを追え! Book ハーメルンの笛吹きを追え!

著者:ビル リチャードソン
販売元:白水社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ハーメルンの笛吹きを追え!」ビル・リチャードソン著 代田亜香子訳(白水社)2004年4月発行.261p.1600円

「ハーメルンの笛吹き」の伝説をモチーフにしたファンタジーです。

笛吹きと共に行方不明になった子どもたち…。取り残されたのは、楽しみにしていた11歳の誕生日=イレブニングの朝を境に耳が聞こえなくなってしまったペネロピーと、目の見えないアロウェイ。ディープ・ドリーミングという才能を持つペネロピーは、笛吹きをさがし子どもたちを救う使命を負って、夢の中を旅することになります…。

101歳になったペネロピーが、11歳の時に起きたことと、現在の自分を交互に語っていきます。

笛吹きの正体と、連れ去られた子どもたちがどうなったのか?作者なりの答えが明かされます。児童文学というより、ヤングアダルト文学といった方がいいかもしれません。

ねずみの大群におびやかされていたハメルンの町にやってきた笛吹き男。男はねずみを退治するが、約束した報酬を払ってもらえなかった仕返しに、子どもたちを連れ去った…。

「ハーメルンの笛吹き」の伝説は、絵本にもなっていますね。

Book ハメルンの笛ふき

著者:ロバート・ブラウニング
販売元:文化出版局

Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ハメルンの笛ふき」ロバート・ブラウニング詩 矢川澄子訳 ケート・グリーナウェイ絵(文化出版局)1976年9月発行.48p.25×22㎝.1600円

グリムが収集した伝説もありますが、こちらはイギリスの代表的な詩人ロバート・ブラウニングの手によるもの。リズムがいい言葉によるシンプルなストーリー。そしてなによりケート・グリーナウェイの繊細な絵が中世のヨーロッパを感じさせます。個人的には、この絵本が一番好きです。

この本の中ではこのできごとが起きたのは、1376年7月22日(一般的には、1284年6月26日とされているようです)、ひとり残されたのは、足が悪くて遅れた少年ということになっています。

こちらは、「しろいゆき あかるいゆき」「みんなのベロニカ」などの絵本を描いたデュボアザンによるもの。

ハーメルンの笛ふき男 Book ハーメルンの笛ふき男

著者:ロバート ブラウニング,ロジャー デュボアザン
販売元:童話館出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ハーメルンの笛ふき男」リバート・ブラウニング作 ロジャー・デュボアザン絵 長田弘・訳(童話館出版)2003年9月発行.40p.32×24cm.1600円

こちらもロバート・ブラウニングによるもので、上記の文化出版局「ハメルンの笛ふき」と基本的には同じストーリーです。こちらの本の方が大判で、使われている言葉もわかりやすくなっているので、子どもの読み聞かせによいでしょう。

後日談として、トランシルヴァニア地方に、地元の人たちとはまるでちがう、その土地生まれではない一族がいた。彼らは、もともとは遠い昔、ハーメルンの町から連れ出され、閉じ込められた地下牢から逃げ出して、その土地に住みだしたといわれている…と記されています。

Book ハーメルンの笛ふき

著者:エロール・ル カイン,サラ コリン,ステファン コリン
販売元:ほるぷ出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「ハーメルンの笛ふき」サラ&ステファン・コリン文 エロール・ル・カイン絵 かなせきひさお訳(ほるぷ出版)1989年11月発行.33P.31×22㎝.1200円

エロール・ル カインの描いた「ハーメルンの笛ふき」は、上記「ハメルンの笛ふき」の余白の多い絵とは対照的で、びっちりと描き込まれた緻密な絵です。この絵本の“まだら服の笛ふき男”の容姿は、悪魔っぽいですよね。

巻末に“ほんとうはなにがおこったか?”として、ハーメルンの伝説についての解説が設けられています。1284年6月26日、ハーメルンで130人の子どもがいなくなりついに戻ることがなかったというのは、史実だったようです。ただ、ねずみ騒動とは無関係だったものが、16世紀になってネズミ捕りの話の一つが「神がくしにあった子どもたち」の話と結びついた(いわゆる後づけされたのですね)と書かれています。

| | コメント (0)

世界の絵本(スリランカ)

かさどろぼう Book かさどろぼう

著者:シビル・ウェッタシンハ
販売元:徳間書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「かさどろぼう」シビル・ウェッタシンハ・作・絵 いのくまようこ訳(徳間書店)2007年5月発行.24p.30㎝.1400円

スリランカの小さな村にすむひとたちは、まだかさをみたことがありません。あめがふったら、バナナやヤムいものはっぱ、ふくろやきれやかごなどをかぶって、あめをよけました。

ある日のこと、村にすむキリ・ママおじさんが、うまれたはじめてまちへ出かけました。そこでみんながさしていたかさを見て、「なんてきれいで、べんりなものだろう」と思い買って帰りました。

ところが、村に帰ってお店でコーヒーを飲んでいるうちに、かさはだれかにぬすまれてしまいました。キリ・ママおじさんは何度かさを買って帰ってもぬすまれてしまうので、ある作戦を立てることにしました…。

大きなはっぱや布をかぶって楽しそうに歩いている村の人たちの絵が、とてもいい!お国柄なのでしょうか…、大らかさが感じられる作品です。輪郭のはっきりした絵と、色使いがとても綺麗!人間と動物との関係が身近で、動物も村に住む一員として受け入れられているような印象をもちました。

作者のシビル・ウェッタシンハは、「きつねのホイティ」で有名ですね。

きつねのホイティ (世界傑作絵本シリーズ) Book きつねのホイティ (世界傑作絵本シリーズ)

著者:シビル ウェッタシンハ
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「きつねのホイティ」シビル・ウェッタシンハ・作 まつおかきょうこ・訳(福音館書店)1994年3月発行.44p.31×23㎝

くいしんぼうぎつねのホイティが人間に変装して、ごちそうを食べにやってきます。おかみさんたちは、きつねだとわかっていながら、だまされたふりをしてごちそうをしてやります。うまくだましたと浮かれていたホイティですが、今度はおかみさんたちにぎゃふんといわされます…。

やはりこちらのお話も大らかといいましょうか、のんびりとした陽気さに溢れています。食べ物や住まいなど、スリランカの暮らしぶりや文化の違いも垣間見られます。シビル・ウェッタシンハの絵は遠目が聞くので、集団の読み聞かせにも使えます。低学年くらいから。

セレンディップ(=今のスリランカ)を舞台にしたおとぎ話もあります。

セレンディップの三人の王子たち―ペルシアのおとぎ話 (偕成社文庫) Book セレンディップの三人の王子たち―ペルシアのおとぎ話 (偕成社文庫)

販売元:偕成社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「セレンディップの三人の王子たち」竹内慶夫・編訳(偕成社文庫)2006年10月発行.201p.700円

むかし、東方の国セレンディップ(=今のスリランカ)に偉大な王がいた。王には三人の王子がおり、いずれも知恵と機転をそなえていた。しかし、王子たちの成長が、そこでとどまるのをよしとしない王は、彼らに旅をさせることにした…。

第一部は、ベーラム皇帝の国に入った三人の王子が、皇帝の信頼を得て、うばわれた<正義の鏡>を取り戻してくるまで。第二部は、病に倒れたベーラム皇帝が、三人の助言を受け、七つの宮殿をつくり七人の美女と七人の語り手を住まわせることになるのですが、その語り手が話した三つの物語を。第三部は、故国に帰った三人の王子のその後…が描かれます。

賢く機転が利き、しかもハンサム。まるで絵にかいたような王子たちが、次々と難問を解決し、予期せぬ幸運をつかんでいきます。絢爛豪華な世界が繰り広げられ、まさにおとぎ話~。羊飼いの娘を妻としたはずなのに、近隣の王国の王女と結婚する!?と驚いたら、一夫多妻の国のお話でした。

「偶然と才気によって、さがしてもいなかったものを発見する」という意味の“セレンディピティ”という言葉は、18世紀、幼年期にこの物語を読んだイギリスの作家ウォルポールがつくりだしたと言われています。

また、物語に登場するベーラム皇帝は実在した人で、宮廷の中に七つのドーム状のパビリオンを作って美女を住まわせ、物語を語らせたことが伝説となって伝えられているそうです。

| | コメント (0)

「おおおかさばき」落語絵本

おおおかさばき―落語絵本11 Book おおおかさばき―落語絵本11

著者:川端 誠
販売元:クレヨンハウス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「おおおかさばき」川端誠(クレヨンハウス)2007.8月発行.24p.30×22㎝.1200円

川端誠さんの落語絵本シリーズ11作目。

財布を落とした吉五郎と、拾った金太郎。どちらも金は受け取らぬと突っぱねて、大げんかとなった。南奉行所の大岡越前守は、どのような裁きでこの騒動を治めるのでしょうか…。

江戸っ子魂とでも言うのでしょうか…、いい話でした。今回は、時代劇でおなじみの大岡越前守が登場しますので、老人施設などで読む絵本としてもいいかもしれません。

いつも思うのですが、このシリーズ、男性が読み聞かせをした方がよりおもしろさが伝わるような気がします。ぜひお父さんたちに読んでもらいたいです。

| | コメント (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »